野球肘は、投球過多が原因で起こるスポーツ障害です。主に投手が発症します。

野球肘では、肘の外側が痛い場合と肘の内側が痛い場合、そして肘の後ろ側が痛い場合で、故障箇所が違います。

医師から「練習を再開して大丈夫」と言われて練習した途端、また痛みが出て整体院を訪れる野球少年は少なくありません。

そのような場合、どのように診断をしていけばいいのでしょうか?

野球肘の原因

野球肘の原因は、投手が繰り返して投球練習をすることで、肘に負担がかかりすぎて起こると言われています。

野球肘の症状

野球肘の症状は投球時に肘が痛んだり、投球後に痛みが出たりします。

野球肘は一般的には、痛む場所によって3つの型(内側型・外側型・後方型)に分けられます。

痛む場所 症状 検査
内側型 肘内側の圧痛、投球時の肘内側の痛み、肘の可動域制限 手の平を上にして物を持ち上げると痛む
外側型 投球時の肘外側の痛み 手の甲を上にして物を持ち上げると痛む
後方型 肘後方の痛み、投球時の肘後方の痛み 肘窩を抑えると痛む

内側型では、内側上顆炎を起こしていることがあります。

外側型では、外側上顆炎を起こしたり、上腕骨小頭が剥離骨折を起こしていることもあります。

後方型では、肘頭が剥離骨折を起こしている例もあります。

そのため、医療機関での検査は欠かせません。

もし、来院したお客様が医療機関での診断を受けていないときは先に受診を勧めてください。

パーフェクト整体的な野球肘の診断

医療機関での治療が終わり、医師から野球再開の許可が出て練習を始めたところ、また痛みが出た場合はパーフェクト整体では適応症と判断して施術を行います。

理由は、骨折していないこと、肘の靭帯のトラブルが完治していることが確認できた場合、整体の施術をしても悪化する心配がないからです。

以下、私の個人的な経験則ですが、参考になると思いますので紹介します。

まず、医師から投球許可が出た場合には、骨折などの物理的要因はないと判断できます。

しかし、野球肘を実際に触診してみると肘周囲の一部の靭帯および関節包の過緊張が残ってしまっています。

関節で隣り合う骨が動くとき、骨と骨は一定の隙間を保ったまま動きます

肘関節に限らず、関節(関節腔がある関節)は一定の隙間を保って動くのが普通なのです。

そして肘関節は3つの関節でできています。

  1. 腕尺関節
  2. 腕橈関節
  3. 橈尺関節

3つの関節が、複雑に連動する肘では特に関節腔の隙間が均一であることが大事です。

本来は、一定の隙間があるはずの肘関節です。

その肘関節の関節腔が狭くなってしまうと、骨と骨が本来あるべき位置よりも近づいてしまいます。

すると、投球時に骨と骨がぶつかってしまい、痛みが再発するのです。

そこで、診断で大切になるのは、肘関節のどの部位が狭くなっているかを見つけることです。

その関節腔が狭い部位では本来の関節の動きができにくくなっていると判断できます。

そのため、ここではどのようにして、狭い関節腔を見つけるか紹介します。

後方型の野球肘は腕尺関節の異常

腕尺関節は上腕骨と尺骨でできる関節です。

この関節は蝶番関節で、屈曲伸展の動きをします。

関節腔が均一の隙間を保っている時、肘窩(肘頭の上の窪み)の部分では2mm程度の隙間を確認できます。

腕尺関節が正常な隙間を保っていれば、下記イラストのように上腕骨内側上顆ー肘頭ー上腕骨外側上顆は一直線になります。

このラインをヒューター線と言います。

後方型の野球肘の場合、上腕骨内側上顆 − 上腕骨外側上顆に対して肘頭が肩方向に詰まって肘窩が狭くなっています。

逆に、野球肘の2〜3割の方は、肘窩が広がりすぎているケースが見られます。

どちらの場合もヒューター線は一直線になっていません。

この場合、肘頭をどのくらい肩方向、あるいは手首方向に動かしたらいいかヒューター線を基準に考えてチェックします。

内側型・外側型の野球肘は肘頭と上腕骨内・外側上顆の関節の異常

肘窩が左右均等になった正常な腕尺関節では、【上腕骨内側上顆ー肘頭】【肘頭ー上腕骨外側上顆】の隙間が均一に保たれています。

その均一に保たれた関節腔で、肘頭が左右に引っかかりなく動いているのが正常な腕尺関節です。

しかし、内側型の野球肘の場合下記イラストで黄色い丸印をつけた【上腕骨内側上顆ー肘頭】のどこかが狭くなっています。

その場所を見つけて、狭くなった関節腔を広げる事ができれば内側型の野球肘の痛みは消失します。

逆に、外側型の野球肘の場合は、上記イラストで黄色い丸印をつけた【肘頭ー上腕骨外側上顆】の隙間のどこかが狭くなっています。

その場所を見つけて、狭くなっている関節腔を広げ、肘頭が引っかかりなく動く事ができれば外側型の野球肘の痛みは消失します。

上腕骨内側上顆に着く筋肉の筋膜をリリースする

野球肘を発症して時間が経過している場合は、上腕骨の内側上顆および外側上顆に付いている筋肉の筋膜が癒着している事があります。

そこで、念のために以下の筋肉をつつむ筋膜に癒着がないか確認しましょう。

上腕骨内側上顆に着く筋肉は5つあります。

  1. 円回内筋
  2. 橈側手根屈筋
  3. 長掌筋
  4. 尺側手根屈筋
  5. 浅指屈筋

もし、【上腕骨内側上顆ー肘頭】の関節腔に隙間ができているのにまだ肘が動かしにくい時は、これら5つの屈筋を覆う筋膜をリリースして解放しましょう。

すると、筋肉を使えるようになって違和感と痛みが消えます。

上腕骨外側上顆に着く筋肉の筋膜をリリースする

上腕骨外側上顆に着く筋肉も5つあります。

  1. 短橈側手根伸筋
  2. 総指伸筋
  3. 小指伸筋
  4. 尺側手根伸筋
  5. 回外筋

もし、【上腕骨外側上顆ー肘頭】の関節腔に隙間ができているのにまだ肘が動かしにくい時は、これらの5つの伸筋を覆う筋膜をリリースして解放しましょう。

すると、痛みや違和感が消失していることがわかります。

まとめ

以上のように、医療機関から大丈夫と言われて投球を再開した途端に痛みが出る場合は、骨の損傷や靭帯の問題ではありません。

腕尺関節の関節腔が均一になっていない事が野球肘で痛みを発症する原因です。

関節はどの関節も均一の隙間を保って動くのが基本ですので、健側を基準によく診て正しく診断してください。

診断が正しければ、あなたが得意とする手法で施術できると痛みが消え普通に投球しても痛まなくなります。

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