パーフェクト整体受講の先生から質問がありました。

「膝の痛みでしゃがめない、正座が出来ない、歩くと鵞足周囲が痛いという症状で苦戦しております」とのこと。

こんな時、良心的な先生は心が痛みますよね。本当にお気持ちがよくわかります。

では、あなたならどのように判断して施術を行うでしょうか?

X脚・膝が痛くて、歩くのもしゃがむのもしんどい

質問された受講生さんが送ってきた内容を、以下紹介します。
お客様は、48歳女性、156㎝、専業主婦、X脚傾向にある方です。
まずはどんな状況か、送られてきた動画(48秒)をご覧ください。

症状

・膝のお皿周囲が重たい
・歩行時鵞足部の痛み
・しゃがめない(寝た状態であれば屈曲可能)
・仰臥位で膝を伸展しようとしたら皿の下に痛み

骨盤から下の関節調整と筋膜リリースを6回にわたり行いました。

 
改善度は本人曰く10→5くらいとの事ですが、なかなかスッキリとはいかず苦戦しております。

①鵞足部の痛みについてですが、大腿裏面の筋肉は割っているのですが筋停止部はどうされているのでしょうか?

②寝た状態で曲げられる膝が、しゃがんだり正座できないのは関節の問題ではなくて、筋膜で解決できるのでしょうか?

片平からのアドバイス

痛みが出たのは1ヶ月前からだとするとX脚が原因ではなさそうです。
 
送られてきたお客様の歩行を動画で見ると、脛骨が外旋して固まっています。
 
そのため、動作に合わせて脛骨が動くことができず痛みが発生していると思われます。
 
もう一度、そういう目でお客様の右膝の脛骨頭の動きを見てみましょう。↓↓↓

言われてみれば、左膝では脛骨頭の動きがあるのに右膝では脛骨頭が動けていないように見えませんか?

右膝で脛骨頭が動けない理由は、何らかの事情で脛骨が正しい位置からズレてしまっから。

大腿脛骨関節がズレた位置で固まってしまうと、関節をつないでいる関節包はねじれるしかありません。

関節包を分厚い風船に例えてイメージしてみましょう。

膨らました風船がねじれたらそのねじれた部分は糸状(または帯状)に硬くなります。

このように関節がズレると、関節包が硬くなります。

特に関節裂隙(関節の隙間の部分)でその硬さは顕著です。

これが、中高年の膝痛で膝周りがモッタリしている人の膝の関節包に起こっていることです。

さて、治療するにあたり、足首の屈曲・伸展と連動して、大腿骨に対して脛骨頭はどのように動くのでしょうか?

わかりやすくするために、塾生さんに送った動画をちょっと借用して説明してみます。

動画でお分かりのように、足首を背屈した時(=これが立位状態です)は、脛骨頭は内旋方向に動きます。
 
逆に、足首を底屈した時、脛骨頭は外旋方向に動きます。

これが足関節と連動した脛骨頭の動きです。
 
今回のお客様は、動画を見る限り脛骨が外旋位でロックされているように見えます。

そのため、歩いて足首が深く背屈するときに脛骨頭の内旋の動きができず痛みが発祥していると思われます。
 
原因がわかればもう大丈夫ですね。

あとは普段行なっている施術方法で、足首を屈曲した時に脛骨頭が正常時に動く範囲まで内旋方向に動くように操作してあげればいいだけです。

正しい位置に戻った時の目安は、膝蓋骨内側の下で大腿脛骨関節を頭方から足方に向けて擦過します。

その時に大腿骨と脛骨頭の境がわからなければ、バッチリ正しい位置に収まったと判断して大丈夫です。

脛骨頭があるんだけど、触るとよくわからないくらいツルッとしている位置が正常な位置です。

施術の目安にしてください。

膝関節内側の鵞足部痛について

受講生:鵞足部の痛みについてですが、大腿裏面の筋肉の間は割っているのですが、筋停止部はどうされているのでしょうか?
 
片平:筋肉の停止部も、ゴアゴアしていればもちろん緩めます。鵞足は浅・深どちらも緩めます。

浅鵞足は半腱様筋の停止部、深鵞足は半膜様筋の停止部なので解剖書をご覧いただき正確に指が行くようにしてください。
 
ただこのお客様は、痛みが出て日が浅いので、筋膜へのダメージはまだ少ないと思われます。

そこで、先に膝関節のズレを正す調整を先に行なってください。

そして、膝関節が正常に動くことを確認したらお客様に立ち上がって動いてもらいましょう。

その時に、まだツッパリや痛みが鵞足に残ったらその部分をゆるめるという手順の方が早く改善します。

膝痛は筋膜の問題か?関節の問題か?

受講生:寝た状態で曲げられる膝が、しゃがんだり正座できないのは、関節の問題ではなくて筋膜で解決できるのでしょうか?
 
片平:いいえ、筋膜の問題ではありません。

なぜなら、寝ている時は筋肉がデレっと緩み、靭帯や関節包がある程度の緊張を保っています。

これは、高齢者が寝ているとどんどん筋肉が落ちる現実を見れば、寝ていると筋肉が使われないのだとわかります。

また、健康な人でも休日などに長時間寝すぎると「寝腰」といって深部がじんわり痛くなることがあります。

これは、靭帯や関節包が長時間の一程度の緊張を強いられたからです。

ということで、このお客様が寝ているときは痛くないなら、寝ているときにある程度緊張しているはずの靭帯や関節包に負荷を感じていないということです。

そして、立ち上がって体重という負荷がかかると痛むということは、体重のせいで関節包で囲まれた関節腔が狭くなったことを意味しています。

総合判断すると、関節包が捻れて関節腔が狭くなったため、体重がかかると窮屈で脛骨頭が動けず痛みになっていると思われます。

そのため施術は、先に関節のズレを正しい位置まで戻すことが大切です。

それだけで、痛みなく通常の動作ができたらバッチリですね。

しかし、関節のズレを改善したのに、動作時に痛みや不都合が残るときは、関節のズレに伴って緊張した筋膜の癒着やひきつりが考えられます。

そのときは、お客様に「どこに違和感が残っていますか」と、質問してみましょう。

するとお客様が、指差してその違和感のある部位を教えてくれます。

その部位にある筋肉の筋膜を緩めれば改善します。

ぜひ試してください。

まとめ

このように関節が動かせない、または動作時に痛むときは、間違いなく関節がズレています。

受講生さんの質問①鵞足部の痛みについてですが、大腿裏面の筋肉は割っているのですが筋停止部はどうされているのでしょうか?

答え:先に関節の状態をよくし、それでも残っている筋肉の停止部繊維は膜リリースで緩めます。

②寝た状態で曲げられる膝が、しゃがんだり正座できないのは関節の問題ではなくて、筋膜で解決できるのでしょうか?

答え:いいえ、筋膜では解消できません。この場合は、関節がズレているはずなのでそれを治し、関節包の引きつりを解消できれば解決すると思います。

参考にしていただければうれしいです。