腱の周囲を覆っている鞘(サヤ)を「腱鞘」と言います。

腱鞘炎は、この「腱鞘」に起こった炎症のことです。

手の腱鞘炎を大きく下記の3つに分けてみましょう。

1、母趾側に発症する腱鞘炎:ド・ゲルマン病 、弾発指(バネ指)

2、小趾側に発症する腱鞘炎:TFCC損傷 

3、手首の中央に発症するもの:月状骨の位置異常

ここでは、3の手首の中央に起こる腱鞘炎についてみていきます。

手首の真ん中あたりに痛みがある腱鞘炎の症状

手首の真ん中あたりに痛みがある腱鞘炎の場合、次の2つが特徴的な症状です。

  1. 朝起きて布団に手をつくと痛い
  2. 手のひらで体重を受けようとすると、痛みで体重をかけられない

このような症状の時は、握力が落ちています。

そのため、本人に自覚はなくても手首に力が入りにくくなります。

この腱鞘炎が原因で、赤ちゃんを抱っこできない新米ママの数も少なくありません。

そのまま無理に手を使うと、手首の熱感や腫れを伴ってくる場合もあります。

朝起きて手をつけない腱鞘炎の原因

朝起きてベッドに手をついて起き上がろうとしたら痛みで手がつけないとは、手首を背屈できないということです。

この手首の背屈時痛の原因は、月状骨の位置異常がほとんどです。

月状骨は、以下の写真の矢印が示す小さな骨です。

月状骨

この月状骨が正位置より手背側に少しずれた場合に、手首に背屈時痛が起こります。

整体院に来院するお客様の腱鞘炎の原因で多いのは、

  • 転んで手をついた
  • 赤ちゃんを抱っこする時間が長い

という場合です。

そのため、お客様が朝起きて手がつけないと訴えた時は、転倒の有無や手首の過労がないかお客様に聞いてみましょう。

手がつけない時のパーフェクト整体的診断法

まず月状骨の正しい位置を説明します。

月状骨は手首の一番近位のシワのところで橈骨結節(リスター結節)の下にあります。

再度、写真をご覧ください。

この骨模型の写真では、月状骨は橈骨と尺骨の間にあります。

しかし、実際には以下の写真のような位置にあるのです。

つまり、月状骨は手首の一番近位のシワのところで橈骨結節の下にあるのです。

※ 模型を無理に正しい位置に向けて引っ張っているので、実際の橈骨と手根骨の隙間はこれほど広くはありません。

ではここから、月状骨の検査の手順をご説明しましょう。

1.橈骨手根(近位手根)関節を見つける

橈骨手根(近位手根)関節を見つけるのは簡単です。

手首のシワを目安にましょう。

手首を背屈して、一番近位のシワが橈骨手根関節です。

2.橈骨結節(リスター結節)を見つける

手首の一番近位のシワが橈骨手根関節とわかったら、次に、橈骨結節(リスター結節)を見つけましょう。

橈骨の背側で、触るとゴロゴロ触れるのが橈骨結節(リスター結節)です。

3.月状骨を見つける

月状骨を見つけるのは簡単です。

月状骨は、橈骨手根関節(近位のシワ)と橈骨結節が交わったところにあるからです。

橈骨手根関節である一番近位の手首のシワのところで、橈骨結節の遠位端の凹みに術者の指を軽く入れ込みます。

月状骨が正位置にあれば凹みがすぐに見つけられ、月状骨がよくわかります。

月状骨を見つけられない時は、月状骨の位置異常が起こっています。

月状骨の位置異常が起こっているとき、月状骨は橈骨にもぐりこむように隠れるため見つけにくいのです。

4.月状骨の動きチェックをする

月状骨と橈骨の界の隙間に指を入れた状態で、手首を背屈・掌屈してみましょう。

  • 掌屈はできる。しかし、背屈できない時は、月状骨は手背側にズレています。
  • 背屈はできる。しかし、掌屈できない時は、月状骨は手掌側にズレています。

検査で気をつけるのは、相手に痛みを感じさせないように検査することです。

そのためには、月状骨をがっしり掴むように持ってはいけません。

橈骨手根関節の隙間に術者の指をそっと入れることです。

以下の写真は、月状骨を掴んでいるのでよくない例です。

繰り返しになりますが、下の写真が正しい検査のための持ち方です。なんども見比べて正確に月状骨に触りましょう。

正しく月状骨を触ったら、橈骨手根関節の隙間に指先を入れるようにしながら、月状骨をそっと動かして検査します。

すると、骨の位置だけでなく関節包の動きまで感じられます。

月状骨が、どの位置でどのように動かないかが手に伝わってきます。

しっかり診断ができれば、あとはあなたが日常使っている手法で緩めましょう。

例えば、パーフェクト整体で月状骨を正位置に戻すには、検査の位置から関節包が伸びる方向にそっと動かして2〜3秒待ちます。

そのあと、ゆっくり関節包が伸びない方に誘導すると、月状骨が正位置に戻ります。

再度お客様が痛かった動作をして、自覚痛がなくなっていることを確認してください。

ここでは診断がメインですので、治療法について詳しくは述べません。

あなたが普段行なっている調整法で緩めてください。

まとめ

ここまで、朝起きて布団に手がつけないという場合の腱鞘炎について述べてきました。

布団に手の平をペタリとつけない時は、月状骨の位置異常が起こっています。

月状骨の位置異常の原因は、転倒や手首の過労のことが多いです。

そのような朝起きて手がつけないお客様がいらした時は、手首のシワや橈骨結節を目印に正確に月状骨を検査しましょう。

月状骨にどのような位置異常が起こっているのかがわかれば、安心して施術ができます。

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