テニス肘の痛みで、お客様が来院されたらどこをチェックして施術すればいいのでしょうか?

テニス肘とは、テニスで引き起こされる肘周囲の疼痛と運動障害のことです。

しかし、この定義では漠然とし過ぎています。

そのため、整体でテニス肘の施術をするにあたり、どこから診ていけばいいかがわかりません。

そこで今回は、テニス肘をどのように診断するのか、外せないポイントについて紹介します。

診断が正確にできれば、施術で回復するのは時間の問題です。

テニス肘の原因

パーフェクト整体的なテニス肘の診断方法をご説明する前に、一般的にはどのように考えられているのでしょうか?

一般的に、テニス肘は肘周囲の靭帯損傷で起こると言われています。

しかし、テニス肘の病態や原因についてはっきりとはわかっていないようです。

テニス肘では、多くの場合以下の3つの筋が痛みます。

  1. 長橈側手根伸筋:手首(手関節)を伸ばす筋肉
  2. 短橈側手根伸筋:手首を伸ばす筋肉
  3. 総指伸筋:指を伸ばす筋肉

テニス肘の症状

一般的に言われるテニス肘の症状は、原因と考えられる上記3つの筋肉の異常による、肘の外側の痛みと上腕部から手にかけての放散痛です。

また、肘をかばって手関節の負荷が増え、握力が落ちることもあります。

テニス肘では、安静時には痛みがないのが普通です。

テニス肘の一般的な診断

テニス肘の場合、一般的には第3者による他動検査を行なって診断します。

テニス肘が発生している側の手関節を、第3者が伸展すると痛み発症したりが痛みが増加したりします。

そのため、一般的な診断では以下3つのテストで痛みが出たらテニス肘と診断されます。

1. トムソンテスト

患者さんは、胸の前に肘を伸ばした状態でたつ。

検者は患者さんの手首(手関節)を背屈するように圧をかける。

その状態から、検者の力に抵抗して患者さんに手首(手関節)を伸ばしてもらう。

2. 中指伸展テスト

患者さんは、胸の前に肘を伸ばした状態で手のひらを下向きにする。

検者が患者さんの中指を上から押さえる。

患者さんは、肘を伸ばしたまま検者に抵抗して中指を伸ばす。

3. チェアテスト

患者さんは肘を伸ばした状態で、手首から先で椅子の背もたれを掴む。

そのまま椅子をゆっくり持ち上げてもらう。

パーフェクト整体からみた診断ポイント

では、パーフェクト整体ではどのように診断するのでしょうか?

テニス肘では、伸筋群に負担が大きいため、伸筋群の起始部である上腕骨外側上顆に付着する筋肉の筋膜の癒着や炎症が起こりやすいです。

そのため、パーフェクト整体では、上腕骨外側上顆を中心に以下2つの膜(筋膜と靭帯)の触診を行います。

そのあとで、肘関節の構造に異常はないかを確認します。

上腕骨外側上顆に付着する筋肉の筋膜をチェックする

上腕骨外側上顆に筋肉の起始がある以下3つの筋肉の筋膜の状態をチェックします。

①長橈側手根伸筋

起始:上腕骨の遠位外側面(外惻顆上稜)、外惻上腕筋間中隔
停止:第2中手骨の底背側面

②短橈側手根伸筋

起始:上腕骨の外惻上顆
停止:第3中手骨の底背側面

③総指伸筋:指を伸ばす筋肉

起始:上腕骨の外惻上顆
停止:第2〜5指の指背腱膜

筋膜をチェックするためには、それぞれの筋肉を起始から停止まで辿り、筋膜の癒着や引っかかりがないかを確認します。

特に、上腕骨外側上顆の起始部でキレイに繊維が分かれるかを確認していきましょう。

肘関節の靭帯をチェックする

肘の周りにある靭帯は以下の3つです。

①内側側副靱帯

内側側副靱帯は前部・横部・後部に分けられます。

内側側副靱帯は上記イラストの通り、上腕骨と尺骨を内側でぐるりと取り巻いているイメージです。

②外側側副靱帯

外側側副靱帯は、外側上顆と尺骨外側面を補強しています。

③橈骨輪状靱帯

輪状靱帯は橈骨頭をぐるりと取り巻き尺骨についています。この輪状靭帯が正常に動いていると橈骨の回内・回外運動がキレイにできます。

さて、靭帯は結合組織です。

そのため、筋膜同様に癒着があったり緊張があるとうまく働くことができません。

上記にあげた3つの靭帯をなぞって正確に診断しましょう。

引きつりや癒着がある部位が見つかったら、そこが施術ポイントになります。

肘関節をチェックして関節の位置異常がないかを触診する

テニス肘の最後の診断は、関節の正しい位置の確認です。もし、骨格の位置がずれていれば調整が必要になります。

そのため肘関節の正しい位置を確認しましょう。

肘関節の正しい位置をチェックするのに用いられる指標は、ヒューター三角ヒューター線、そして肘頭窩です。

ヒューター三角

ヒューター三角とは上腕骨内側上顆ー肘頭ー上腕骨外側上顆を結んだ線が作る三角のことです。

肘を直角に曲げた状態で、ヒューター三角をチェックします。

正常な肘関節では、このヒューター三角が正三角形もしくは二等辺三角形になっています。

もし、このヒューター三角が正三角形もしくは二等辺三角形になっていなければ、肘関節は正常な位置にないということです。

肘頭を上腕骨内側上顆または上腕骨外側上顆のどちらの方向に、どのくらい動かしたら正しいヒューター三角になるかを確認します。

それが、靭帯が緩んだ後に行う腕尺関節調整の操作になるためです。

ヒューター線

ヒューター線とは、上腕骨内側上顆ー肘頭ー上腕骨外側上顆の中心を結んだ線のことです。

正常な肘関節では、肘関節を伸展した時このヒューター線は1直線になります。

もし、このヒューター線が1直線になっていなければ、その1直線になっていない側に肘関節の位置異常があるということです。

肘頭窩

肘関節の位置異常が確認できたら、上腕骨に対して尺骨をどのくらい動かしたらいいかを測る方法として、肘頭窩

の隙間をチェックします。

肘頭窩とは肘の後ろ側で尺骨頭の上のくぼみのことです。

正常な肘関節では肘頭窩には1センチ弱のすき間があります。

そのため、仰臥位のお客様が肘を伸展して寝た状態で、検者が左右の肘窩に指を軽く当てて検査します。

健側と比べて患側の肘頭窩が広いか狭いかを診ていきましょう。

健側よりも患側が狭ければ腕尺関節を広げる必要があります。

健側よりも患側が広ければ腕尺関節を縮める必要があるとわかります。

更年期のテニス肘は治りが悪い

更年期に、若い時と同じ感覚でテニスをすると肘や手首に無理が来ます。

なぜでしょうか?考えてみましょう。

膜は結合組織の総称です。

結合組織の構成要素は、コラーゲンとエラスチンが大半を占めます。

そして、卵巣ホルモンの一つであるエストロゲンには、コラーゲンの産生を助ける働きがあります。

更年期になり、エストロゲンの分泌が減るとコラーゲンの産生を助ける力が弱くなりはじめます。

その結果、更年期では結合組織に力がなくなるって来るのです。

靱帯や関節包は、結合組織が強く密に集合して構成されています。

更年期になると、エストロゲンの減少に伴ってこの結合組織に力がなくなるわけです。

そのため、更年期においては腱や靭帯・関節包などの膜に、思ったほど力が入らない状態になっています。

その時に無理にテニスなどで肘に負荷をかけると、どのようなことが起こるでしょうか?

あなたも想像に難くないですね。

そうです。去年と同じようにてにすをしただけなのに肘が痛むということが起こるのです。

施術者は、更年期のテニス肘の施術では、靭帯や関節包また肘の3つの関節が整っても安心してはいけません。

結合組織に力がないため回復がゆっくりしか進まないため、経過観察が必要なのです。

ところで、更年期とは閉経の前5年、後5年を合わせた計10年間のことを言います。

結構、更年期の期間は長いのです。

しかも、閉経の時期は人それぞれですので、いつが更年期かを特定することも難しいものです。

一般的に言えることは、40代と50代半ばは更年期のためにホルモンが減少する時期と考えてください。

去年と同じことをすると無理が来るのが更年期の特徴なのです。

そのことをお客様に説明して、更年期は体の移行期なので無理をしないようにアドバイスしましょう。

テニス肘が完治するまでの期間

テニス肘が完治するまでの期間は、20〜30代のスポーツ選手と40代の更年期世代では全く違います。

20〜30代では、施術後1ヶ月から1ヶ月半でテニス肘は完治します。

この年代は男女差は診られません。

肘関節の膜調整や骨格調整をしたあと1ヶ月から1ヶ月半無理をしないでいると、靱帯や関節包はすっかりよくなります。

そして、テニス肘を発症する前の筋膜や靭帯・関節包が引き締まった状態に回復します。

ただし、更年期は油断禁物で経過観察が大切です。

エストロゲンがどのくらい減少が激しいかにより個人差があります。

そのため、とにかく無理をしない、完治して2ヶ月後くらいから少しずつテニスを再開するようにアドバイスしましょう。

まとめ

以上のように、テンス肘はテニスに伴う肘周囲の靭帯の損傷による痛みです。

パーフェクト整体ではさらに、肘周りの靭帯が損傷を受けることで、肘関節の尺骨頭の位置が正常な位置から少し上腕骨外側上顆側に移動してしまうことも発見しています。

テニス肘を放置すると、関節包のバランスが崩れ、ゆっくり腕尺関節・腕橈関節・橈尺関節の位置異常に進行します。

テニス肘の施術においては、膜と関節の状態を正確に診断する必要があります。

正確に診断ができていれば、あなたが行なっている手法で、診断通りに調整をしていけばいいわけです。

そして、お客様の年齢相応のテニス肘との関わり方をアドバイスして差し上げましょう。

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