お客様が初回に「側弯症です」と言った場合、通常は医療機関で診断された結果です。

なぜなら、側弯症は軽度であれば自覚症状はなく、何も苦痛を伴わないため自分では気づきません。

そのため、第3者の指摘か健康診断等で指摘されて初めて医療機関を受信し、側弯症であることを告げられます。

医療機関で側弯症と診断されたお客様の状態が、果たして「整体の適応症なのか」「治るレベルなのか」を見分けることができたらお客様への対応が楽になります。

そこで今回は、側弯症について説明します。

側弯症とは

私たちの脊柱は正常な場合、左横からみるとS字状の弯曲があります。

このS字状の弯曲は生理的弯曲といいます。具体的には、7個の頚椎が前に弯曲、12個の胸椎が後ろに弯曲、5個の腰椎が前に弯曲するという具合にカーブしています。

また、正常であれば、脊柱は前後からはまっすぐなように見えます。

この脊柱が横から見た生理的弯曲と、前後からまっすぐに見える正常のラインから逸脱することがあります。

まっすぐに見える脊柱が左右に10度以上弯曲すると、側弯症と診断されるようです。そして、定かではありませんが、25度以上になると手術の対象になるようです。

脊柱は左右に弯曲するだけでなく、前後にも弯曲することがあります。そのため、側弯症には、3つのタイプがあります。

1、後ろから見て左右に横方向へ弯曲する側弯症
2、後方に突に曲がってくる後弯症
3、1と2が合わさった後側弯症

そのほか、胸椎で側弯が起こると肋骨も関与してきます。すると、以下のイラストのように肋骨が変形することがあります。
側弯症

側弯症の原因

現在側弯症は、原因がわからない「突発性側弯症」がほとんどだと言われています。

また、「先天性側弯症」もあります。「先天性側弯症」は、生まれつき椎体の形が立方体ではなくクサビ状になっている奇形です。

どちらも、整体の適応症ではありません。

しかし、側弯症の原因によっては整体で改善することがあります。側弯が軽度なら整体の適応症です。

パーフェクト整体の適応症になるのは、脊柱の側弯と同じように「仙骨が弯曲している」場合です。このような状態の時は、パーフェクト整体の適応症と判断して施術します。

仙骨の弯曲が確認できた場合は、毎回必ず施術の最初に仙骨の弯曲を改善します。

その上で、脊椎の椎間関節を緩めると側弯症が改善される例を、私はたくさん見てきました。

例えば最近、職場の健康診断で側弯症と診断された20代の男性が来院されました。

医師の診断では原因不明で、処方は何もなく「様子を見ましょう」と言われたそうです。

しかし、本人や家族はやはり病名がついた以上、精神的な不安はぬぐい切れません。そのため来院されたと言います。

彼の背中を以下に載せた写真で見ると、腰椎が後弯曲、胸椎は少し左に突になって弯曲しています。そのため、右側肋骨が少し幅広くなっていました。

写真ではよくわからない弯曲ですが、実際に触ると弯曲が写真よりきつく感じられました。

以下の写真は、1回目の施術前と後の状態です。

側弯症

写真の彼は、仙骨が弯曲することによる側弯症でした。そこで、改善が見込めると判断し、施術しました。
1回目の施術で腰椎は、ほぼまっすぐになり肋骨の左右差も少なくなっています。

このように、仙骨が弯曲することにより起こる側弯症は、私の経験的には手術するほど大きく側弯することはないようです。そのため、整体の適応症と判断できます。

ここでは、原因不明の側弯症は適応症ではないため取り上げません。

代わりに、仙骨に問題がある場合の側弯症を取り上げます。

改善の可能性があるお客様を助けるヒントになればと思います。

側弯症が発見される経緯と症状

側弯症は、自覚症状が全くないのが普通です。最近は、学校の健康診断等で発見されるケースが多いようです。側弯症がひどい場合は、子どもでは入浴中に親が見つけることもあります。しかし、普通は気づかないまま過ごすことが多いです。

ところが、側弯症がある場合、思春期に入り身長が急に伸び始める頃になると不都合を感じることがあります。

そうして、本人が不都合を感じることが、側弯症を改善するための動機付けとなります。

例えば、

  • 腰や背中が痛い
  • 肩甲骨の高さが違う
  • 肋骨の形が違ってくる
  • 足の長さが違う
  • 同じことをしても他人より疲れやすい
  • 見た目が良くない

などの自覚できる不都合があります。

このように、本人が自覚できる症状や不都合が現れて初めて、本人が「まずい、なんとかできないだろうか」と思います。

このような自覚できる症状があることは、整体適応症の側弯症改善には朗報です。

なぜなら、仙骨が弯曲するのは足を組んだり、片側だけあぐらをかいたりという生活習慣が原因だからです。

お客様が不都合をなんとかしたいと強く願っているときは、生活習慣の指導を積極的に実行しようとします。

そのため、仙骨が原因の側弯症は的確な施術と生活習慣改善のアドバイスが必須となります。

仙骨の施術においては、施術後の本人の生活習慣が変わらなければ元に戻るのは時間の問題です。

お客様の生活習慣を変えてもらえば、仙骨の施術効果を維持できます。

仙骨の弯曲が原因の側弯症は適応症

側弯症と診断され「手術するほどではないため、経過観察するのみで何の処方もなく、手術の条件を満たすまで待つしかない」というのは、精神的に苦しいものです。

そのような方々が、なんとか他の方法で改善が見込めないだろうかと、整体やマッサージを訪れます。

側弯症のお客様を初めて施術するときは、脊柱の側弯の程度を確認しましょう。
前屈してもらい、背骨の曲がり具合を確認します。

肩や肩甲骨の高さ、ウエストラインの高さ、腸骨の高さ、PSIS(上後腸骨棘)の高さを確認しておきましょう。

その上で、仙骨を触診して仙骨の弯曲が見つけられた場合は、仙骨の弯曲が原因の可能性を疑いましょう。

仙骨は、もともとは腰椎のように別々の5個の骨が癒合してできた骨です。腰椎で言うところの椎間関節にあたる部分が仙骨孔です。

私は鍼灸学校卒業後すぐに、2年間医学部で肉眼解剖を体験しました。

鍼灸学校在学時から、アメリカ発祥のオステオパシーを学び始めましたが、深く学ぼうとするとすぐ行き詰まりました。

なぜなら、オステオパシーという体を調整する手法は、アメリカでは通常医学部卒業後に学ぶからです。

そのため、オステオパシーの翻訳本は医学の専門用語で書かれていてよくわからないのです。

例えば、長胸神経と書かれていたとして、読むことはできても長胸神経がどこにあるのかがさっぱりわかりません。

辞書を引いても、自分の体に当てはめて「長胸神経はここにある」とイメージができませんでした。

体の中をわかるため、そしてオステオパシーの翻訳本を理解するため、実際に肉眼解剖を学ばないと無理だと感じました。

肉眼解剖で、関節がどのような構造になっていてどのように動くのかを確認したかったのです。

残念ながら、死体では頭蓋骨は動きません。死体の仙腸関節や仙骨も動きませんでした。

しかし、生きている間はこれらの骨は全て動いています。

そのため、頭蓋骨も、仙腸関節も、仙骨も変形するのです。

例えば、姿勢が悪くいつも右脚を上にして組んでいると、仙骨は弯曲します。

どのように仙骨が弯曲するのでしょうか?

 

右脚を上にして足を組んだ場合、上半身の体重は左坐骨にかかります。

すると、体の左側で状態を支える状態になります。仙骨の左側に力が入り、少しずつ仙骨に弯曲が起こります。

その結果、上のイラストのように仙骨稜は第3仙骨孔あたりを頂点にして左に弯曲します。

その弯曲を見つけるためには、仙骨孔を両側同時になぞっていきます。

仙骨陵は第3仙骨孔の高さあたりで仙骨裂孔と呼ばれ、2股に別れます。そのため検査する時は、仙骨稜ではなく仙骨孔を正確になぞっていくのがコツです。

正確に仙骨孔をなぞり、どのように弯曲しているか診断しましょう。

診断ができたら、あなたが行なっているやり方で仙骨の調整を試みてください。

それで脊柱の彎曲に変化が起こるようなら、仙骨の弯曲が原因だと思って大丈夫です。

このときはまず、仙骨を調整し仙腸関節の緊張をとってから脊柱の施術を行います。

このような施術を、お客様に3回通院して様子をみましょう。それでも変化がないときは、仙骨の弯曲が原因ではないと判断できます。

仙骨が原因の側弯症の場合は変化が現れますので、自信を持って通院を促してください。

治療後のアドバイスの重要性

仙骨の弯曲が原因の側弯症は、姿勢や体の使い方などの生活習慣が根本の原因となり仙骨が弯曲したわけです。そのため、数回の施術後は生活習慣を改善することが大切です。

生活習慣の改善を指導するために、まずお客様の生活習慣をよく聞きましょう。

お客様の日常で、どのような姿勢が仙骨の弯曲を引き起こしたのかを探ります。

原因がわかったら、その生活習慣を改善する提案をしましょう。

例えば、

  • 足を組まない
  • 片足だけあぐらにしない
  • 仕事中の偏った姿勢を点検する
  • 横向きに寝るときは抱き枕をする

などです。

姿勢を変えるには、最低1年は通院を継続してもらい、お客様の姿勢の経過観察が必要です。

なぜなら、私たちの骨が古い骨から新しい骨に全て入れ替わる周期は若い人で約2年、高齢になると約3年と言われています。

その2〜3年の間、定期的に通院すれば側弯が治ったのを確認できるからです。

しかし、お客様にとって、2〜3年の継続通院はつらく感じます。

そこで、1年間だけ経過観察のため通院するように提案してください。脚を組まない生活を1年継続できれば習慣化するからです。

また、お客様に合うストレッチや体操があればそれを紹介してください。

体をゆがませた生活習慣は、全身をおおう筋膜全体をゆがませてしまうことがあります。

そのため、お客様の体の状態にあったストレッチや体操をしてもらい、1日の筋膜のゆがみをその日のうちに改善させるのです。

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モゾモゾ体操は、仙腸関節を適度に刺激するので、毎日朝晩継続すると仙骨のゆがみが取れていきます。

まとめ

このように、側弯症は仙骨の弯曲が原因で起こっている場合があります。

そのときは、整体の適応症です。

左右4個ずつある仙骨孔を指で触れて確認し、しっかり仙骨の弯曲状態を診断してください。

施術して仙骨の弯曲が改善し脊柱の側弯の改善がみられるなら、脊柱がまっすぐになるまで通院してもらいましょう。

側弯が改善し脊柱がまっすぐになるまでに、仙骨を弯曲させた原因である生活習慣のくせを見つけてあげましょう。

そして、その生活習慣の改善方法を教えます。

その後、1年間は1〜2ヶ月に1回の間隔で通院してもらい経過観察してください。

そのようにすれば側弯症は改善します。さらに、お客様は側弯症の原因となった生活習慣を変えることができるため、再発の不安もなくなります。

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