ある整体師さんから相談メールがありました。以前通院されていたお客様が妊娠され、切迫流産で入院しました。

そのお客様から

「寝たきりで足が痛いのでモゾモゾ体操をやってもいいですか?」

という相談を受けたのですが、モゾモゾ体操を勧めてもよろしいでしょうか?

その他、安静にすること以外で切迫流産のお客様にアドバイスできることがありましたら教えて下さい。

というご相談でした。

確かにこの類の質問ですと、男性の先生は動揺することも多いかもしれません。

そこで、今回はこのご相談に答えてみたいと思います。

切迫流産とは

切迫流産とは何かについて、日本産科婦人科学会のサイトを参考にみていきます。

同サイトには、以下のように書かれています。

「胎児が子宮内に残っており、流産の一歩手前である状態を「切迫流産」と言います。

一般の流産は基本的に妊娠継続不可能ですが、「切迫流産」は妊娠継続の可能性があります。

妊娠12週までの切迫流産に有効な薬剤はないと考えられており、経過観察で対処することとなります。

子宮に中に血腫(血液のかたまり)があるような切迫流産では安静が効果的とする研究報告もあります。」

また、医師監修の「赤ちゃんの部屋」サイトでは以下のように書かれています。

「切迫流産は流産しかかっている状態といわれています。

しかし、実際は本当に流産しかかっている可能性が高い場合と、少し出血が見られたので「切迫流産にしておく」だけで、あまり流産とは関係ない場合があります。

私たち整体師が関与できるのは、上記にある少し出血が見られたので「切迫流産にしておく」だけで、あまり流産とは関係ない場合です。

切迫流産の原因

切迫流産は原因不明と言われていますが、考えられる原因として「赤ちゃんの部屋」サイトでは

  • 染色体異常
  • 子宮筋腫などの子宮の異常
  • 絨毛膜羊膜炎
  • 多児妊娠
  • 性病
  • 薬物や酒類の使用

などを紹介しています。

切迫流産が整体の適応症と診断するための2つの質問

ここまで、一般的に言われている切迫流産について医師のサイトを参考にご紹介しました。

通常は、切迫流産は医師にお任せする領域です。

そして、整体師が関与できるのは、出血があったため大事をとって「切迫流産」と診断されている場合のみです。

そこでまず、整体師が関与できる「切迫流産」か否かを見極めるために、お客様に確認することが2つあります。

質問1:安定期に入っているか?

整体の適応症に該当する切迫流産かどうか質問の1点目は、相談してきた妊婦さんが安定期(13週以降)なのかそれ以前なのかの確認です。

安定期に入っていない場合は、大事をとる必要があるので、整体師は何もできません。

このような状況で対応できる手法をお持ちの先生もおられることでしょう。

しかし、整体師は妊婦さんが何かあった場合に責任を取れる立場にはないため、安定期前は何もしないほうが無難です。

その際は「まだ安定期に入っていないので、医師の指示に従ったほうがいいです」と言って、様子を見てもらうことになります。

一方、安定期に入っている場合は、整体の適応症と判断できればできることがあります。(できることは後述します)

質問2:出血の色は鮮血かドス黒いか?

整体の適応症に該当する切迫流産かどうか質問の2点目は、相談してきた妊婦さんの出血の色の確認です。

その際は、お客様に次のように聞いてみてください。

「出血はキレイな色でしたか?それともドス黒い色でしたか?ドス黒いとは、生理の時のような色です。どちらでしたか」
と確認するとわかります。

もし、答えが鮮血でキレイな色だという場合は、禁忌症なので医師にお任せしてください。

しかし、ドス黒い出血の場合は別です。

ドス黒い血は、漢方では「瘀血(おけつ)」と言われます。瘀血とは、本来生理の時に出し切るべきはずの血液のことです。それが子宮に残っていて、胎盤の健全な成長の邪魔になっているのです。

このような場合、正常な母体の働きとして、胎盤の成長のために何とかして異物(=瘀血)を体外に排出しようとします。

その結果として出てきたのがドス黒い血です。この場合は母体が健康な証拠ですので、出血があった場合は喜ぶべきです。

しかし、特に初めての懐妊の時は、妊婦さんは知識がなくて不安になってしまいます。

実際、私も今まで随分そのような相談は受けてきました。

確認すると、鮮血の人もいれば瘀血の人もおられました。

鮮血の場合は医師の指示に従っていただくしかありません。

逆に、瘀血の場合は出血を恐れるのではなく、出し切ることの方が大切です。いらない血を体に止めておくのは胎盤の成長に邪魔なため体の正常な反応の結果による出血です。

1回のみの出血のこともありますが、2回3回と瘀血が排泄される場合もあります。

骨盤の状態が良いと、体は勝手に瘀血を排出することができます。

そのため、出血の色を確認することはとても大切です。

総合して判断すると、妊婦さんが安定期に入っていて不正出血が瘀血なら整体の適応症となります。

整体適応症の切迫流産で、整体師ができること

お客様の切迫流産が整体の適応症だと確認できた場合、以下のような手法が有効になります。

  • 骨盤の歪みを取って胎盤が安定するようにする
  • 仙腸関節の緊張を解放して胎盤の環境を整える
  • 胸腰移行部の緊張をとって子宮をリラックスさせる
  • 頭蓋骨調整をして緊張状態を解放する
  • モゾモゾ体操で脳脊髄液の生成循環を促す
  • 自律神経のバランスを整えることで心身のバランスをとる

あなたの手法が上記の目的にかなう手法なら、ソフトな手技を行うのは有効です。

そのような方法は持ち合わせていないという整体師さんのために、今回は簡単な「モゾモゾ体操」で骨盤の歪みを改善しつつ、脳脊髄液の生成・循環が最適化される方法を紹介します。

通常の「モゾモゾ体操」の確認

あなたは、私が考案した「モゾモゾ体操」をご存知でしょうか?

「モゾモゾ体操」は、脳脊髄液の生成・循環を最適化する体操です。

妊婦さんになると、胎児への血流を良くするため、妊娠前よりも血液やリンパ液、脳脊髄液の全体量が増えます。

妊婦さんは、軽い浮腫のような状態になっているのです。

そのため、体液の一部である脳脊髄液の生成・循環がうまくいかないと、だるかったり体調不良を感じるようになります。

そのような時に、「モゾモゾ体操」をすると体が楽になることがよくあります。

そこで、「モゾモゾ体操」を初めて知った方のために、簡単に通常のモゾモゾ体操の手順を先にご紹介します。

1、足の押し出しで脳脊髄液の循環を促す

2、足のワイパー動作で脳脊髄液の生成を促す

3、再度、足の押し出しをして生成した脳脊髄液を循環させる

このように、1〜3の流れでモゾモゾと小さく動かすと、脳脊髄液の生成・循環が最適化され体調が良くなるのです。

切迫流産の時のモゾモゾ体操は、骨盤のゆがみを改善しながら行う

通常の「モゾモゾ体操」がどのようなものか理解したので、ここから切迫流産の方に紹介する「モゾモゾ体操」を解説します。

通常、冒頭で紹介したようなお客様からの相談は、妊娠前から通院されているケースがほとんどでしょう。

そのため、整体師は妊婦さんの骨盤がどのように歪んでイルカは把握しておると思います。

その前提で、以下【腸骨が前傾している側が左】だと仮定して、その骨盤の歪みを改善しながら行う「モゾモゾ体操」法です。

  1. 両脚を伸ばした位置から、左太腿だけを少しだけ外転(外側に広げる)する。
  2. その位置から、ゆっくりカエルさんの脚にしていき、両足裏が向き合う位置で止める。
  3. そのカエルさんの形のまま、足の押し出しをしてモゾモゾして脳脊髄液を循環させる。
  4. 両足を閉じてワイパー運動でモゾモゾして、脳脊髄液を生成する。
  5. 再度、1〜3を行い増えた脳脊髄液を循環させて終了。

わかりにくいかもしれないので、動画でも紹介してみました。参考にしてください。

▼妊婦さんの骨盤調整が同時にできる「モゾモゾ体操」

切迫流産で適応症の妊婦さんに行う「モゾモゾ体操」の3つの効果

妊婦さん向けにアレンジして行う「モゾモゾ体操」には、3つの効果が期待できます。

  1. 骨盤の歪みが改善する(骨盤底筋のバランスが整う)
  2. 深層筋(腰方形筋、腸腰筋)のバランスが整う
  3. モゾモゾ体操効果でその時の妊婦さんに最適な脳脊髄液の生成・循環ができる

このように簡単なモゾモゾ体操をするだけで、妊婦さんの骨盤の歪みが改善し骨盤底筋のバランスが安定します。

骨盤底筋が安定すれば、子宮も安定しますので胎児が順調に成長できます

骨盤の歪みや骨盤底筋に力がないせいで瘀血が体内に残っていたために切迫流産になったとすれば、この妊婦さん用にアレンジした「モゾモゾ体操」を行うことで少しずつ落ち着いてくるでしょう。

寝ながらできるので、適応症と判断できた切迫流産の妊婦さんに紹介してあげましょう。

まとめ

冒頭に紹介したお客様は、確認したところ安定期に入っていなかったそうです。

そのため、医師の指示に従ってくださいとアドバイスすることになりました。

妊娠は病気ではありませんが、何があるかわからないのも事実です。

切迫流産の診断を受けた妊婦さんから相談を受けた時は、医師の指示に従うことをまずお勧めしてください。

それでも、妊婦さんが自分で何かしてみたいと相談された場合、整体師は妊婦さんの状態が整体の適応症かどうかを2つの質問で確認してください。

そして適応症と判断できたら、ソフトなタッチでの手法を行ってみましょう。紹介した「モゾモゾ体操」はとても有効です。

また、妊婦さんになると体温が上がるため、暑がりになります。そのせいで下腹部を冷やしてしまうことがあります。

せめて下腹部は冷やさないように工夫することも、瘀血を出しやすくする手段として有効です。

 

※文章の中で参考にさせていただきたサイトは以下です。

  • 赤ちゃんの部屋サイト:https://www.babys-room.net/1879.html
  • 日本産科婦人科学会のサイトhttp://www.jsog.or.jp/public/knowledge/ryuzan.html

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