寝違えになると、「首が動かない」「息苦しい」「首を動かそうとすると鋭い痛みを感じる」などの症状が現れます。

「枕が合わなかったのかもしれない」「飛行機の狭いシートで変な姿勢のまま、うとうとしたからかもしれない」など、なぜ寝違えになったのかを自分なりに考えます。

そして、鎮痛剤を飲んだり休養したりしても症状が楽にならないと、整体やマッサージを受けようと思い立ちます。

寝違えで来院したお客様の症状は、軽い場合から重い場合までさまざまです。軽い場合は何も手当てをしなくても、日を追うごとに痛みが消えていくものです。

そのため、お客様が寝違えで来院されたときは、数日様子を見てもよくならない、重い寝違えかもしれません。寝違えで来院されたときは慎重に問診を進めてください。

問診では、問診の基本「5W1H」を意識し、寝違えが発症した経過を詳しく聞き原因がどこにあるか探りましょう。

寝違えとは

寝違え

寝違えになると、「首が動かない」「息苦しい」などの症状が現れます。

「枕が合わなかったのかもしれない」「飛行機の狭いシートで変な姿勢のまま、うとうとしたからかもしれない」などと、なぜ寝違えになったか自分なりに考えます。

鎮痛剤を飲んだり休養したりしても症状が楽にならないと、整体やマッサージを受けようと思い立ちます。

寝違えで来院したお客様の症状は、軽い場合から重い場合までさまざまですが、軽い場合は何も手当てをしなくても日毎に痛みが消えていくものです。

そのため、お客様が寝違えで来院されたら、数日様子を見てもよくならない重い寝違えかもしれません。慎重に問診を進めてください。

問診では、問診の基本「5W1H」を意識し、寝違えが発症した経過を詳しく聞き原因がどこにあるか探りましょう。

寝違えの時によく聞く訴え

寝違えのお客様の訴えはさまざまにあります。

薬を服用しない状態でのお客様が、首をある角度まで動かそうとすると「ヒクッと痛い」「ピッと痛みが走る」などと症状を訴えた場合は、患部の関節の可動域制限が起こっていることが原因です。

具体的には、「ヒクッと痛い」「ピッと痛みが走る」などの症状だけでなく以下のような症状も訴えることが多いです。

  • 呼吸が浅く、息苦しい
  • 深呼吸すると患部が痛む
  • 首が痛くて左(あるいは右)にだけ回らない
  • 枕から頭を起こすのが辛い

このように、寝違えが重い場合の訴えはさまざまにあります。

さらに、寝違えを年に数回発症する人は

  • 冷えると特に痛みがきつくなる
  • 吐き気がする時がある
  • 定期的に寝違える
  • 寝違えを起こす間隔が狭くなって来ている

などと訴えます。このような場合は患部の関節にはより一層の無理がかかっていることが考えられます。

寝違えが自然に治らないお客様は、痛み止めを飲まないと仕事がきついことが多いです。寝違えの原因を見つけて、しっかり回復できるようにしたいものです。

寝違えの原因を主訴から判断できる3分法

各関節を緻密に検査しながら施術するパーフェクト整体的に見れば、寝違えによる関節の可動域制限は、大きく3つに分類できます。

関節の運動制限がどこにあるかによって、痛む場所が違います。そのため、寝違いの痛み方によって以下の3つに分けて考えることができます。

お客様の主訴 検査すべき関節
呼吸が苦しい 肩甲胸郭関節・肋椎関節
首が回らない 肩甲胸郭関節・肋椎関節(第1〜第5)・椎間関節
胸鎖乳突筋・斜角筋が痛い 肩甲上腕関節・胸鎖関節(第1〜第2肋椎関節)

寝違えの原因となっている関節を特定

このようにお客様の主訴を聞くことで、痛み方により寝違えの原因を3つに分けて類推できると、寝違えの原因となっている関節を特定しやすくなります。

呼吸が苦しいと訴える寝違えの原因

寝違えで呼吸が苦しい時の原因は、肋椎関節と肩甲胸郭関節です。

肋椎関節に動きの制限がある場合

肋椎関節は左右12対の肋骨と12個の胸椎の関節です。

肋椎関節とは

上下の肋骨の間には内・外肋間筋がついています。内・外肋間筋は肋骨にどの方向に付いているのでしょうか?

胸郭の前側で見ていきましょう。外肋間筋は外上から内下方向へ、内肋間筋は内上から外下方向へ向かって斜めについています。

外肋間筋とは

 

外肋間筋は、吸気時に働きます。外肋間筋が収縮すると肋骨が開き胸郭が広がり肺が膨らむため肺に空気が入ります。

逆に、内肋間筋は、呼気時に働きます。内肋間筋が収縮すると肋骨が閉じて膨らんだ肺が元に戻るため二酸化炭素を吐き出すことができます。

私たちは普段の生活では、無意識に行われる内・外肋間筋の収縮のおかげで、意識せずに呼吸ができています。

呼吸時に肋骨がどのように動いているかを知ることは、寝違えの原因特定に必要な考え方です。

肋骨が閉じたり開いた入りすると言われてもピンと来ないかもしれません。

そこで、肋骨をブラインドに見立てて肋骨の動きを説明しましょう。

普段の呼吸では、内・外肋間筋に引っ張られて、肋骨はブラインドのように動いています。

呼吸と肋骨の動きの関係は以下です。

呼吸 働く筋肉 肋骨の動き
呼気 内肋間筋 ブラインドが閉じるように動く。
呼気時に肋骨を引き下げ、肋間隙を支持して胸郭を安定化する
吸気 外肋間筋 ブラインドが開くように動く。
吸気時に肋骨を引き上げ、肋間隙を支持して胸郭を安定化する

このように、肋骨はブラインドのように動いて自然呼吸ができるように働いているのです。

この呼吸をサポートする肋骨や内・外肋間筋の働きがスムーズでなくなると、肋椎関節の動きが鈍くなり息苦しさを感じる寝違えの原因となります。

肩甲胸郭関節に動きの制限がある場合

また、関節の運動制限と言っても、膜の歪みや緊張が原因の場合と、関節の拘縮で動きが制限される場合があります。

肩甲胸郭関節は結合組織性の関節です。この関節は骨と骨の関節ではなく、胸郭の上に肩甲骨が乗りゆるい膜でつながって滑るように動いている関節です。

ですから、このゆるい膜に問題があっても肩甲胸郭関節は動かなくなります。膜の問題とは何でしょうか?

肩甲骨の裏側には肩甲下筋があります。肩甲下筋は肩甲骨の内側縁にしっかり付いています。肩甲下筋の前(胸郭側)には、第1〜第9肋骨から鋸状に起こる前鋸筋があります。

この前鋸筋もまた、肩甲骨内側縁に付いています。そして、この前鋸筋と大・小菱形筋は以下のイラストのように一連の膜として見ることができます。

前鋸筋とは

参考:『アナトミートレイン』

このように、肩甲胸郭関節は膜でつながっている関節です。そのため、呼吸が苦しいと感じる寝違えの場合は、肋椎関節肋椎関節だけではなく、肩甲胸郭関節の膜のゆがみや緊張が原因ではないかと疑ってみましょう。

首が回らない、動かせないと訴える寝違えの原因

寝違えで首が回らない時、動かない時は、肩甲胸郭関節・肋椎関節・椎間関節の可動域制限が原因です。

特に寝違えがひどい場合は、第2/3/4肋骨の下縁が跳ね上がったままで動かなくなっています。ブラインドが跳ね上がったまま閉じなくなってしまった状態です。こうなると、【第2/3/4肋骨 ⇄ 肩甲骨】の肩甲胸郭関節は跳ね上がった肋骨が邪魔になり動きが悪くなります。その影響で、第2/3/4肋骨と胸椎がつながる肋椎関節の動きも悪くなります。

 

肋骨が跳ね上がった状態

もう少し詳しくみていきましょう。

肋骨が跳ね上がった状態は、触診で簡単に見分けることができます。

その方法は、伏臥位のお客様の肩甲骨内側を、術者の手掌や指腹を使って肋骨を上から下に軽くなぞって触診します。

すると、肋骨をゴロゴロとかたく感じる部分があります。肋骨が「ここにある」「硬い」と感じるときは、肋椎関節が硬いときです。突き指した関節は触るとが固く感じるますがそれと同様です。

肋骨を、ゴロゴロと感じる時はその肋骨と椎体がつながっている肋椎関節の部分に動きの制限があります。

さらに、第2/3/4肋骨のブラインドが跳ね上がることで、肩甲骨と第2/3/4肋骨の隙間(肩甲胸郭関節)が狭くなります。

肩甲骨と第2/3/4肋骨の隙間(肩甲胸郭関節)の部分は、ちょうど肩甲棘の裏側にあたります。そのため、肩甲棘の裏側部分の肩甲胸郭関節の動きが悪くなります。

すると、肩甲棘の周辺に着く筋肉群は動きが悪くなります。肩甲棘の周辺に着く筋肉群とは、例えば、肩甲骨の上角に付く肩甲挙筋、棘上窩に付く棘上筋、棘下窩に付く棘下筋です。

これらの筋肉が動来にくくなると、コリを感じたりや筋肉痛のように感じたりします。

また、第1肋椎関節が動かないときは、注意が必要です。

第1肋椎関節は第1肋骨頭の受け口は、第7頸椎の椎体だけではなくだけでなく、第1胸椎の椎体にまたがっています。

そのため、第7頸椎および第1胸椎の椎間関節の動きの制限は、第1肋椎関節の動きにも影響します。

術者はお客様から、寝違えで首が動かないと訴えられると、その原因は頚椎の異常かと思うかもしれません。

確かに頚椎の椎間関節の動きが悪いこともあります。しかし、長い臨床経験でわかったことがあります。

それは、通常は肩甲胸郭関節と胸椎椎間関節と肋椎関節が緩むことにより頚椎の動きの制限は8割方消えてなくなるということです。

そのため、お客様の主訴に従いすぎて頚椎ばかり施術しているとなかなか改善しないことがあります。

また、お客様が訴える、首を動かそうとすると「ヒクッと痛い」「ピッと痛みが走る」という表現は、肋椎関節がロックされた時の共通する訴え方です。

このように寝違えで首が回らない時や動かない時は、肩甲胸郭関節・肋椎関節・椎間関節の可動域制限が原因です。

肋椎関節とは

特に第2/3/4肋骨とつながる肋椎関節、第2/3/4肋骨と肩甲骨の間の肩甲胸郭関節が動かなくなっていることが多いです。

この場合、肩甲棘周囲の筋肉が動来にくくなっているという特徴を紹介しましたが、もう一つ特徴があります。

その特徴とは、仰臥位で肩甲棘をベッドから天井方向に押すと、肩甲骨が重く感じほとんど肩甲棘の位置が動かないことです。

逆にいうと第2/3/4肋骨と肩甲骨の間の肩甲胸郭関節に動きがある時は、肩甲棘を天井方向に押すと肩甲棘の部分がフワッと持ち上がり重さを感じません。

ですから、検査時に肩甲棘が軽く動くかどうか確認してみましょう。

胸鎖乳突筋・斜角筋肉が痛む時の寝違えの原因

寝違えで胸鎖乳突筋が痛む時の原因は、胸鎖関節と肩甲上腕関節です。

そして、斜角筋が痛む時の原因は、斜角筋の停止部である第1・2肋骨の動きの制限です。

寝違えで胸鎖乳突筋が痛む時の原因

寝違えで胸鎖乳突筋が痛む場合は、胸鎖関節の可動域制限が起こっているのが原因のことが多いです。

胸鎖関節の可動域制限は一体どのようにして起こるのでしょうか?事故や怪我を除けばほとんどは生活習慣が原因です。

生活習慣とは、横になって手枕をしてテレビを見ているとか、肘掛けに片側だけ肘をついて上半身の体重を預けたままじっとしているなどという姿勢です。

特に、更年期以降では夜寝ているときに胸鎖関節の動きを悪くすることが多いです。

どのような寝方でしょうか?それは、横向きで寝て、肩先に自分の体重がズシンとかけて寝る寝方です。

例えば右下にして横向きに寝た場合、右肩甲上腕関節の部分では、右上腕骨骨頭が右肩甲骨の関節窩に近づいた状態で固定されることになります。枕が低ければ、固定された右肩甲上腕関節に自分の体重がかかります。

右肩甲上腕関節では、右上腕骨に押された右肩甲骨が鎖骨を正中線方向に押す形になります。すると、右の胸鎖関節で胸骨に鎖骨頭が乗り上げたようになり、胸鎖関節が窮屈になります。胸鎖関節が窮屈になることで、この部分に付いている胸鎖乳突筋が緊張していきます。

胸鎖乳突筋が凝っているとか痛いとか訴える寝違えの場合、毎日の生活習慣、寝方の癖で胸鎖関節が窮屈になっていることが原因です。過去の怪我や事故で胸鎖関節が窮屈になっていることもあるので問診で確認する必要があります。

このような胸鎖関節の詰まりは仰臥位で簡単に見分けることができます。

見分ける方法は、両方の胸鎖関節を軽くなぞるだけです。指腹で軽く胸鎖関節をなぞり関節間に隙間があり胸骨と鎖骨の境がどこにあるかわからなければ正常です。

胸骨(柄)に鎖骨が乗り上げるように付いている時は胸鎖関節が詰まっていると思って間違いありません。

寝違えで斜角筋が痛む時の原因

寝違えで斜角筋が痛む時の原因は第1・2肋骨の動きの制限です。

斜角筋とは

前斜角筋と中斜角筋は第1肋骨に付き、後斜角筋は第2肋骨に付きます。

そのため、斜角筋の停止部が動かないと、起始である頚椎の横突起が引っ張られて、窮屈な感じや筋肉痛のような感じがします。

この時、頚椎付近の斜角筋のコリをマッサージしたり整体することが多いようです。しかし、そのようなアプローチで改善しない時は、鎖骨と第1肋骨の重なる部分、鎖骨と第2肋骨の重なる部分の斜角筋の停止部を緩める必要があります。ですから、検査時に斜角筋の停止部の状態をチェックしましょう。

お客様が首の横のあたりが痛いと訴えた時は時は、お客様の指でどこが痛いか示してもらいましょう。お客様が、横突起よりも前の方を指さしたら前斜角筋、耳の近くを指さしたら中斜角筋、横突起の後ろの方を指さしたら、後斜角筋の緊張があると目安がつきます。

筋肉 起始 停止
前斜角筋 第3〜6頚椎の横突起の前結節 第1肋骨の前斜角筋結節
中斜角筋 第(2)3〜7頚椎の横突起の後結節 第1肋骨鎖骨下動脈溝の後ろ側
後斜角筋 第5〜7頚椎の横突起の後結節 第2肋骨の外側面

また、この場合、斜角筋の停止部を緩めてもまだ痛みが取れない時は、第1および第2肋椎関節に動きの制限があるかもしれないと思って、第1および第2肋椎関節の動きをチェックしてください。

まとめ

ここまで述べて来たように、寝違えで来院するお客様は、多くの場合関節の可動域制限が起こっています。

どの関節に可動域制限があるかは症状別に3つに分類できます。

  1. 呼吸が苦しい場合:肩甲胸郭関節・肋椎関節
  2. 首が回らない場合:肩甲胸郭関節・肋椎関節(第1〜第5)・椎間関節
  3. 胸鎖乳突筋・斜角筋が痛い場合:肩甲上腕関節・胸鎖関節(第1〜第2肋椎関節)

以上のように、お客様の主訴から寝違えの原因が3つに分類できます。

しかし、特に慢性化してしまい、定期的に寝違えを繰り返す場合は、原因は一つではなく、3つの原因が相互に絡み合っていることもあります。

原因が違えば治療法も当然違ってきますので、慎重に見極めましょう。

確実に原因を特定するには、各関節の正確な検査が必要です。検査法はさまざまにあるので、あなたが行なっている検査で大丈夫です。 正しく確実に関節を触診して診断してください。骨模型で骨がわかっても、いざ人体で触って確認しようとすると、『はて?烏口突起はどこだろうか』『第2肋骨はどこにあるのだろう』と悩むことがないように、無料動画で説明しています。もしあなたが、なんとなく形式的に検査しているとか、検査してもよくわからないときは、メルマガ登録して無料動画をご覧ください。

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