経営の神様と言われた松下幸之助氏は、「健全な商売の鍵は料金設定にある」と言いました。

あれほどの大企業を築いた方の言葉です。一人院において、料金設定はとても重要です。

もし、労働の対価に見合わない料金設定ですと、施術者が消耗していくだけになります。

施術者が倒れてしまったら困るのはお客様です。施術者もお客様も満足できる料金設定をしたいものです。

最低限の黒字化に向けての料金設定の方法等は、他のコンサルタントの先生が教えていますのでここでは省略します。

今回は、一般論ではなく、私の恥ずかしい失敗談も交えて料金設定や値上げの考え方を解説します。

【料金<価値】になっている場合の値上げ

あなたが、院で提供しているサービスが【料金<価値】になっている場合の値上げについて考えます。

結論から言うと、あなたのお客様が、今のあなたの施術やサービス内容に充分満足しているなら、値上げしたとしても、7〜8割位の方は残ってくださいます。

なぜなら、あなたの施術やサービス内容にお客様が料金の何倍かの価値を感じているからです。

私の失敗談

私事で恐縮ですが、私の恥ずかしい失敗体験を紹介します。

1986年に開業

私は、1986年に開業し、1時間3000円からスタートしました。
3年後には4000円、さらに4年後には5000円と値上げして、2000年までは、90分5000円で治療していました。

こう書くのも恥ずかしいですが、当時は1回いくらという世間相場にとらわれていました。そのため、繁盛しているのに生活費はいつもカツカツで精神的にもとても苦しかったです。

今になって考えてみれば、クイックマッサージが90分9000円の時代でした。その時代に、マッサージと治療を行なって90分で5000円は激安です。

安い上に良くなるなら、お客様にとってこんないいことはありません。

当然、近くだけでなく近隣県からも沢山のお客様が来院していました。

私は、腕がいいからだと自惚れていましたが、そうではなく、ただ激安だったからです。

値上げしたいけれど・・・

それに気づいた私は、このままでは倒れてしまうので値上げしたいと思うようになりました。

値上げしたいとは思うものの、潜在意識に刷り込まれた貧乏な考え方が私の心を支配していたのです。

  • 値上げしたら嫌われるのではないか
  • 値上げしたら誰も来なくなるのではないか
  • 値上げしたら、近所の人からぼったくりと言われるのではないか

そのようなことを考えると思い切り値上げする勇気がなくて、3年も値上げに踏み切れませんでした。

値上げ決行

しかし、40代に突入し、体が悲鳴を上げ始めたのです。
お尻に火がついた私は、ついに値上げに踏み切ります。本当にドキドキしました。

そして、女性は5000円から9000円に、男性は5000円から12000円に値上げしたのです。

悩みはしたものの、治療技術には自信があったからです。

面白いことに、値上げ決行の翌月にお客様は半分近く減りました。

しかし、売り上げは少し増えたのです。

これで私は、体力的にとても楽になり、ゆっくり将来のことを考える時間が確保できるようになりました。

未来を考える時間が持てた

そして、90分9000円の治療で半年が経過したころ、それまで住んでいた山の中から福島市内に移転することを考え始めます。

なぜなら、後継者を養成する必要があったからです。

身体を壊したことで私は、自分の体力の限界に気づきました。

自分がやめても、後継者がいなければお客様に迷惑がかかります。

お客様のおかげで体系化できた整体技術を後継者に伝えることが、私の次の仕事だと思うようになっていったのです。

それを実現するには、交通の不便な山の中では不可能です。そこで、市内へ移転する必要がありました。

とはいうものの、山の中の自宅は持ち家でした。ローンも残っています。市内に移転して頑張るには子供も転校させなければなりません。

現実問題が立ちはだかり、移転決意から市内に実際に拠点を移すまで、これまた3年もかかってしまいました。

最初福島市に出た時は、「つぶれるかもしれない」と不安な気持ちがあり、家賃の安いところを借りました。

すると、半年ぐらいで軌道に乗り黒字になってきました。

初めて雇ったスタッフのマッサージと私の治療の組み合わせで、9000円でもお客様がどんどん来てくださったのです。

いただく料金は同じでも、私の施術時間が減った分でより多くの方を施術できたので収入が増えました。

後継者養成

さらに3年が経過し、口コミだけで繁盛できる自信がついたところで、本格的に後継者育成に乗り出します。

後継者育成を考えて、国家資格保持者を雇用し福島駅近くに再度引越して、広くて綺麗な院を構えたのです。

新しい院では、マッサージと治療は別々の料金設定にとるとお客様が選べるようにしました。
治療のコースは、1回10,000円と15,000円の2コースのみ。

新人に集客する苦労はありましたが、田舎で高額なのに予約が一杯の繁盛院になることができました。
私は、週3日働くだけで月商100万円を超えるようになったのです。

価値は料金の3倍になること

この時に、私が常に意識していたことは、料金の3倍の価値を提供することです。

このように、あなたの院で提供しているサービスが【料金<価値】になっている場合、値上げが可能です。

あなたのお客様が、今の施術やサービス内容に十分満足しているなら、値上げしたとしても、7〜8割位のお客様は残ってくださいます。安心して値上げしてください。

【料金=価値】の場合、値上げは成功しない

料金相応の価値しか提供していないなら、値上げした途端、お客様は他に流出していくことでしょう。

なぜなら、その料金であなたより価値が大きいサービスをしてくれている院は他にもあるからです。

大切なことは、あなたが料金以上の価値を提供しているかどうかです。

例えば、5000円で治療しているのを6000円に値上げしたとしましょう。

その場合、5000円の価値しか提供していないなら、半分以上のお客様は潮が引くようにいなくなるでしょう。

なぜなら、提供している価値が同じなのに料金だけ上がったら、お客さまは損したと感じるからです。

このままでは赤字になるから値上げしようというのは、奪う側に回った考え方ですから当然値上げは失敗します。

厳しいですが、あなたが料金相応の価値しか提供していないなら、値上げした途端、お客様は他に流出していきます。

もし、今お客様の口コミが発生していないなら、【料金=価値】もしくは【料金>価値】になっている可能性があります。

自分の判断ではなく、お客様がどう感じているかの視点が大事です。

【料金<価値】かどうかの点検項目

【料金<価値】になっているかどうかの点検項目は2つあります。

  1. 院の毎月の新規顧客の30%が口コミによる紹介のお客様
  2. 半分以上の新規顧客が、治療中に紹介したい人がいるので治るかどうか質問される

この2つの場合は、間違いなく【料金<価値】になっていると判断して大丈夫です。

まとめ

このように、値上げを考える場合は第3者の目が必要です。

あなたが行っている施術、院の雰囲気、接客対応等が今の料金以上の価値あるなら、値上げに踏み切って大丈夫です。

逆に、このままだと赤字になるから値上げをしたいというなら、奪う側の考え方なので失敗する可能性が高いです。

その場合は値上げしない方が無難です。

値上げの目安は以下です。

  1. 院の毎月の新規顧客の30%が口コミによる紹介のお客様
  2. 半分以上の新規顧客が、治療中に紹介したい人がいるので治るかどうか質問される

この2つの場合は、間違いなく【料金<価値】になっています。値上げの検討に入って大丈夫です。

 

【料金<価値】動画はこちら↓↓
http://www.youtube.com/watch?v=-9-_X533axw