動かしても痛みはない、じっとしていても痛みはない、しかし長時間同じ動きを続けると膝が痛いと訴えるお客様がおられます。

このような時には一体何が起こっているのでしょうか?

動作時痛・静止時痛以外の症状についても原因を見ておきましょう。

またここでは、禁忌症についても述べます。さらに、禁忌症ではないものの気をつけて施術すべき症状についてお伝えします。

膝関節の隙間が狭くなった時の特徴

関節は骨と骨のつなぎ目のことです。

多くの場合、関節は関節包が骨同士を取り囲み摩擦をゼロにするために、関節内部を一定量の滑液が満たしています。

そのため、関節の隙間である関節腔は常時一定の隙間を保っています。関節が動く時は、関節腔は一定の隙間を保ったままで向かい合った骨同士が動くのです。

しかし、何かの理由により関節腔が狭くなることがあります。

・長く歩くと痛い
・マラソンで10キロ以上走ると痛みが出る
・スクワットをする時に膝が詰まる感じがする
・自転車・ロードレースが一定の距離を超えると辛くなる
・深くしゃがむのが辛い

これらは、関節に常に圧がかかって動作をすることで負荷がかかり関節腔が狭くなると起こる痛みです。

医者ではないのでレントゲンを撮ったり、MRIで調べたりできないので証拠はありません。

しかし、このような痛みを訴える方々の関節腔を、施術により正しい位置まで広げると、これらの痛みが消えるたり走行距離が伸びても痛くなかったりすることを、臨床ではたくさん見てきました。

そのため、一見何事もなさそうでも

・長く歩くと痛い
・マラソンで10キロ以上走ると痛みが出る
・スクワットをする時に膝が詰まる感じがする
・自転車・ロードレースが一定の距離を超えると辛くなる
・深くしゃがむのが辛い

お客様がこれらの症状を訴える場合は、関節腔が狭いことが原因ですので、診断時に頭の片隅に置いてください。

禁忌症

これから説明するものは、禁忌症です。
お客様がいらしたらすぐに医療機関での検査をお勧めしてください。

膝痛がひどい場合、お客様は医師の診断を仰いでいます。しかし、稀に医療機関の検査を受けていない方がおられます。

禁忌症は、施術で全く痛みが軽減しないばかりか悪化することもあります。

しっかり問診して禁忌症かもしれないと判断したら、施術するのではなく、すぐに医師の診断を受けるようにお勧めしてください。

関節ねずみ

関節ねずみとは、軟骨や骨編が関節腔内に遊離して動き回るもののことを言います。

お客様はとても痛がりますが、構造上の問題ではないので手技療法でどうにかできるものではありません。

関節ねずみがあるときの特徴としては、痛みが鋭いことです。ときには水が溜まってくることもあります。

関節ねずみは、検査すればすぐにわかりますし、内視鏡手術で摘出できる類のものです。早く医療機関で診断を受けるように勧めてください。

半月板損傷

膝関節には、内側半月板と外側半月板があります。

2つの半月板は脛骨の上にあって、関節面の深みを大きくすることで大腿骨の内側顆と外側顆ががスムーズに動けるようにしています。

その半月板が、スポーツ外傷や変性などにより断裂したものを半月板損傷と言います。

半月板損傷では、当然ですが膝関節に痛みがあります。膝関節が腫れることもあります。動かそうとすると引っかかり感があったり、損傷部位によっては膝が動かないこともあります。特に膝を深く曲げると膝関節の痛みが出ることが多いです。

半月板損傷も、膝の関節腔を医療機関で検査しないと診断できない類のものです。上記のような症状があったら医療機関へ受診したか確認し、まだなら先に医療機関をお勧めしましょう。

半月板損傷の多くは外傷性なので、転んだとか急激にスポーツをしたとか何か理由があることが多いです。問診で、いつからどのように痛みが出たかを聞けば判断ができると思います。

しかし、高齢の方の半月板損傷は、O脚やガニ股での生活で内外側への半月板への負荷に差がありすぎて、ゆっくりすり減ってくることがあります。

その時は、特に何も怪我や事故急激な運動は関係ありません。見た目で膝がまっすぐでない時はこの半月板に問題がないか医療機関で診断を受けた方が懸命です。

人工骨頭置換術をした人

この場合は手術した部分は触らないほうがいいです。

十字靭帯損傷

十字靭帯は膝の中央付近にありますので、普通に生活していて損傷することはありません。

事故や怪我が十字靭帯損傷の主な原因です。または、スポーツでひねってしまったり、瞬間的に負荷をかけすぎたりすることが原因で、十字靭帯を損傷することがあります。

十字靭帯は、前十字靭帯と後十字靭帯の2つから成り、膝の中心部にあります。

前十字靭帯は後ろ外側から前内側に伸びています。後十字靭帯は、後ろ内側から前外側に伸びて、前十字靭帯とクロスしています。

前十字靭帯が損傷すると、前方向への踏ん張りがきかなくなり、膝が前にカクンと抜けそうになります。
後十字靭帯を損傷すると、後ろ方向への踏ん張りがきかなくなり、膝が後ろにグニャリと過伸展します。

お子様が、押入れからジャンプして遊んでいたり、土手からふざけて飛び降りて十字靭帯を損傷することもあります。

このような場合、お客様は異常に気づき真っ直ぐに医療機関に行きます。しかし、稀に直接整体院等にくることがあります。

その際は、膝関節が前と後の踏ん張りがなくなってカクカクしていれば、先に医療機関での検査を勧めてください。

軟骨がすり減った場合

「軟骨がすり減ったのでなんとかしてください」と来院されるお客様がおられます。

軟骨がすり減って痛みと腫れがある場合は通常は「変形性膝関節症」と病名がつきます。

残念ながら軟骨は再生しないので手遅れのことが多いです

手技療法で関節の位置を正しくしたとしても、軟骨がすり減った痛みは取れません。

そのため、医療機関の治療を受けるようにお願いしてください。

一部、まだ軽症の場合で医師からマッサージを勧められている場合は適応症と判断できます。しかし、お客様が定期検診に行った時の情報を教えてもらって慎重に施術する必要があります。

ちなみに、中高年以上の方が膝を動かした時にクリック音がする場合は、軟骨が擦り始めている可能性があります。

もちろん、必ずすり減っているとは言い切れません。

しかし、今まで軟骨がすり減ってしまったお客様に話を聞くと、どうやらクリック音がするあたりから症状は進行しているようです。

そこでお客様が、膝を曲げる時に痛くはないけどクリック音がするというときは、一度医療機関を受診するように勧めてください。

最近クリック音がし始めたという方は、医療機関での検査や治療と並行して、関節周囲の軟部組織の状態を良くし関節の位置を正しくすると進行は止まることがあります。

そのため、先にしっかり状況を確認する意味でも医療機関での検査を勧めましょう。

禁忌症ではないけれど気をつけて施術する

禁忌症ではないけれど、慎重にそっと治療したほうがいい病気で来院が多いのは次の2つです。

リウマチ

リウマチは、進行が早い場合は禁忌症です。

しかし、ある程度症状が固定したかのようにゆっくり進むリウマチの場合は禁忌症ではありません。

診断は、動作時痛や静止時痛を参考にしてください。

ただし、患部を触るときは細心の注意が必要です。赤ちゃんのほっぺを触るような刺激で、上手に施術できればい膝の痛みが軽減するでしょう。

ただし、強い圧で刺激してしまうと炎症を引き起こし、悪化する可能性があります。

お客様が医師からどのように言われているかをよく話を聞いてください。そして、原因が軽症のリウマチで適応症のレベルかなと思っても、あなたが強めの手法を使っている場合は、お断りしたほうが賢明です。

パーキンソン病

パーキンソン病は、急激に進行する場合と緩やかに進行する場合の2パターンがあります。

パーキンソン病のお客様は、当然医療機関で治療を受けています。

急激に進行する場合は手技療法ではどうにもなりません。しかし、ゆっくり進行する、もしくは症状固定に近い状態なら施術は可能です。

パーキンソン病は、屈筋が収縮し続ける病気ですのでとても筋肉が疲れます。

例えるなら、私たちが筋肉痛になったような状態が、パーキンソン病のお客様にはいつもあるとイメージするとわかりやすいでしょう。

ですから、自分が筋肉痛の時に何をすると楽になるかを考えれば、パーキンソン病で膝痛のお客様にできることは決まってきます。

パーキンソン病と膝の痛みは、屈筋群が緊張すること以外に特に因果関係はありません。

多くの場合、パーキンソン病になる前に膝が悪かったり、過去に捻挫して足首が動きが悪かったりしています。

パーキンソン病になる前は気にならなかったけれど、病気のため屈筋である腓腹筋やヒラメ筋がが常時収縮するので、より一層膝が苦しく感じているのが実情です。

そのため、パーキンソン病で膝痛を訴えるお客様の場合、膝痛の原因はパーキンソン病ではないと思ってください。

過去の膝や足首の怪我や事故による、気づかない程度の関節の異常が原因です。

丁寧な問診と検査で、膝が悪くなっている原因が何かを特定してください。

まとめ

ここでは、動作時痛・静止時痛以外の症状について考察してきました。

また禁忌症や、禁忌症ではないけれども気をつけて施術すべき病気について言及しました。

痛みや痛みの発生機序は一人ひとり違うので、仮説を立てるのは難しいですが、この内容を参考に多角的にお客様の膝痛の原因を見つけてください。

通常の膝痛ではない疑いがあるときは、医療機関の検診を勧めることも忘れないでください。

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