「股関節で脚が外旋しすぎるとどうして痛みが出るのでしょうか?」と、私が主催するパーフェクト整体塾の卒業生さんから質問がありました。

股関節 痛み 原因

股関節は、骨盤の横前側にある球関節です。

股関節は、関節臼という臼(ウス)状のくぼみに、丸い大腿骨骨頭が杵(キネ)のようにスッポリとハマっています。

そして、股関節が痛みなく動くためには、股関節の臼(ウス)と杵(キネ)で構成された球関節がスムーズに動く必要があります。

股関節の痛みは、股関節の構造が関係している

股関節の痛みの原因は、股関節を取り巻く靭帯が関係しています。

股関節がスムーズに動くためには臼(ウス)と杵(キネ)の関係が大事と言いました。

股関節 痛み 原因

その臼(ウス)と杵(キネ)の骨同士は、丈夫な関節包に包まれています。

そしてさらに、関節包にしっかり重なるように靭帯が取り巻いています。

関節包と靭帯が取り巻くことで、頑強さがあり脱臼しない構造になっているのです。

股関節周囲の靭帯は大きく3つあります。

股関節 痛み 原因

  1. 前面:恥骨大腿靭帯
  2. 前面:腸骨大腿靭帯
  3. 後面:坐骨大腿靭帯

これらは大腿骨頸を取り巻き、外後ろから内前に向かって走ります。

右側の股関節についている3靭帯を外側で横から眺めてみましょう。

これら3つの靭帯は股関節を取り巻くように時計回りにねじれて巻きついています。

左側の股関節を横から見ると、3つの靭帯は反時計回りに巻きついています。

そして、股関節のこれら3つの靭帯は、股関節を伸ばしたときにギューと引き締まります。

逆に股関節を屈曲したときは、3つの靭帯はゆるみます。

この屈曲位で3つの靭帯が緩んでいることが、中高年以降の股関節の痛みと関係してくるのです。

股関節に痛みが出る原因

整体の適応症として考えられる股関節の痛みの原因は、2つ考えられます。

外因性のもの

股関節痛の原因の1つ目は外因性のもので、外から刺激が加わった場合のことを言います。

例えば

股関節 痛み 原因

  • 自転車で転んだ
  • 階段から落ちた
  • 交通事故で股関節を打った

などです。

姿勢によるもの

股関節痛の原因の2つ目は姿勢(使い方)によるものです。

姿勢が 「なぜ? 股関節の痛みに関係するのか」あなたは疑問に思うかもしれません。

立っている時は、股関節が伸展しています。

立位で股関節が伸展している時、股関節周りの3つの靭帯は緊張してギューと引き締まるんでしたね。

そのため、歩行時は3つの靭帯が適度に緊張して股関節の動きをサポートしています。

逆に、座っているときは股関節周りの3つの靭帯が緩んでいます。

例えば、

  • 椅子に腰掛けているとき
  • フローリングの床や畳の部屋でゆったりしているとき

です。

デスクワークが多い現代では、ほとんど1日座っているという人も多いでしょう。

椅子に座ったときは、股関節が屈曲しているので3つの靭帯は緩んでいます。

つまり、座位の時は股関節が靭帯で守られていない状態になっているわけです。

次の写真をご覧ください。

女性が足を組んで腰掛けています。

それぞれの写真の状態の時、左右の股関節では何が起こっているのでしょうか?

以下、股関節がどのように動いているか書いていきます。

股関節の痛みの原因は姿勢かもしれません。

右股関節:屈曲+内転+外旋
左股関節:屈曲+内転

こちらの写真は右足を左腿にのせていますが股関節の動きはどうなっているのでしょう?

股関節の痛みの原因は姿勢かもしれません。

右股関節:屈曲+外転+外旋
左股関節:屈曲

横座りはどうでしょうか?

股関節の痛みの原因は姿勢かもしれません。

右股関節:屈曲+外転+外旋
左股関節:屈曲+内転+内旋

このように、股関節が屈曲しているときは靭帯が緩んでいるため、股関節の

  • 「内転+外旋」
  • 「外転+外旋」
  • 「内転+内旋」

が容易にできる状態になっています。

股関節が「内転+外旋」「外転+外旋」「内転+内旋」しているということは、いわゆる【軽〜い亜脱臼】状態だということが言えます。

股関節で「内転+外旋」「外転+外旋」「内転+内旋」が起こっても、30代くらいまでは股関節の痛みは感じません。

筋肉に柔軟性があるおかげで、座位での【軽〜い亜脱臼】状態の股関節を、立ち上がるとすぐに正位置の股関節に戻すことができていたからです。

そのため近い将来、姿勢の悪さが股関節の痛みの原因になるとは夢にも思っていないことでしょう。

さて、若い頃から20年30年と同じ姿勢で腰掛けたり、横座りをしたり、あぐらをかいた位置で過ごすとどうなるでしょうか?

もうお分かりですね。

姿勢が悪いせいで、股関節を「内転+外旋」「外転+外旋」「内転+内旋」して自ら【軽〜い亜脱臼】を作り出したようなものです。

無意識で行っていることなので責めることはできません。

しかし、股関節が【軽〜い亜脱臼】になっていれば、股関節周囲の筋肉も軽〜く捻じれたり伸びたりして無理がかかります。

当然ですね。

股関節 痛み 原因

そして、ついに40代突入。

運動を継続していない場合、通常の方は30代後半から筋力が衰えたり筋繊維に弾力がなくなったりしてきます。

そして、40代以降になると筋肉が衰えているため、座位での股関節の【軽〜い亜脱臼】を、立ち上がってすぐ【正位置に戻せなくなる】のです。

そのような状態でも、実生活では立ったり歩いたりする必要があります。

そのため、【軽〜い亜脱臼の股関節】=【軽〜くねじれた股関節周囲の筋肉】のまま歩いたり階段の昇降を繰り返します。

そしてゆっくり股関節が痛みを感じ始めるというわけです。

気をつけるべきは特に、股関節が亜脱臼しやすい位置は「外転+外旋」の時だと言われていることです。

参考)カパンジー機能解剖学Ⅱ 下肢(P29, P38参照)

写真で示すと

↓の右股関節が「屈曲+外転+外旋」

股関節 痛み 原因

↓の右股関節が「屈曲+外転+外旋」

股関節 痛み 原因

↓の左右の股関節が「屈曲+外転+外旋」

股関節 痛み 原因

このように、外因性の原因をのぞけば、日常生活における姿勢が股関節の痛みの原因になっていると言えます。

痛くないからといって、股関節が脱臼しやすい位置で長時間過ごすのは先々を考えるとお勧めできません。

股関節の痛みが出た時の対策

股関節の痛みで来院された場合、パーフェクト整体では股関節に関係する筋膜や靭帯・関節包のリリースを行ったのち、「内転+外旋」「外転+外旋」「内転+内旋」を骨格調整して改善していきます。

(パーフェクト整体での調整法は塾でお教えしているのでここでは省略します。)

あなたは、あなたのやり方で改善してください。

そしてもし、股関節痛の原因が外傷ではなく姿勢が原因と思われる場合は、生活指導(姿勢指導)が再発予防につながります。

そこで、初回問診時、または施術中に普段の姿勢をさりげなく聞いてみましょう。

 

股関節 痛み 原因

この時に、まるであなたの姿勢が悪いから股関節が痛むのだと言わんばかりの高圧的な言い方にならないよう気をつけましょう。

お客様は痛みで苦しんでいるのですから、その心情を理解した上でタイミングをみて質問してください。

初回問診時なら、

「普段どんな姿勢でいることが多いですか?」

と聞いて大丈夫です。

ところが、多くのお客様は普段の姿勢を意識して生活していないので、正確な答えが得られないものです。

そこで、先生が施術中に股関節痛の原因が「内転+外旋」「外転+外旋」「内転+内旋」にありそうだと感じ場合は、次のように質問してみましょう。

「もしかしたら、右足を上にして足を組んでいるクセがありますか?」

「リビングにいる時横座りしていたりしますか?」

などと、質問するのです。

すると「なぜですか」とお客様から聞き返されると思います。

そのタイミングで施術者がお客様に、

「横座りや足組した形に骨盤と股関節がゆがんでいるので、もしかして…と思いましたので」

と、お伝えするといいです。

股関節 痛み 原因

すると初めてお客様は、股関節痛の原因が自分の姿勢にあったのだと気づいてくれます。

股関節痛の原因が自分の姿勢にあると気づいたお客様が、「どうすればいのですか?」と聞いてきた時がアドバイスのタイミングです。

そのタイミングで、「こうするといいんですよ」というアドバイスをして差し上げると、お客様が積極的に姿勢を変えてくださいます。

私がオススメしているセルフケアは、少し面倒ですが2つです。

1、デスクワークの時は膝を縛ること

股関節の痛みを予防する座り方

この場合、膝蓋骨(膝のお皿)を圧迫しない位置で固定します。

2、寝る時は股関節近くの太ももを縛って寝ること

股関節の痛みを予防する寝方

この2つを約2ヶ月守っていただければ、股関節の痛みの原因になっていた【軽〜い亜脱臼】と【軽〜くねじれた筋肉】が正しい位置に落ち着いてきます。

特に「外転+外旋」している股関節の場合は、就寝中に無意識にカエルさんの脚にしているものです。

股関節 痛み 原因

このような方は、両太ももを縛ても、とても窮屈に感じ朝まで縛っておけないのが普通です。

朝まで縛るのが苦痛でも、夜中に目が醒めるまででもいいので縛ることをお勧めすると、はやく股関節の痛みから解放されます。

お客様が「自分のために頑張る」と思ってもらえるように、セルフケアを紹介してあげてください。

■まとめ

このように、股関節の痛みは、外傷を除けば日常の性格習慣が原因です。

特に股関節の「外転+外旋」は脱臼を一番起こしやすい位置だということを覚えておきましょう。

股関節の外旋がなぜなぜ痛みを起こしやすいのかの答えは、「外転+外旋」は脱臼を起こしやすい位置だからです。

股関節が痛みという形で、「このままだと脱臼しそうだ!気をつけろ」とサインを送って脱臼を予防しているのです。

あぐらをかいたり足を組んでいる習慣がある方は、あなたが施術した後のセルフケアがとても大切です。

なぜなら、股関節が施術によって正しい位置に戻ったとしても、股関節周囲の関節包や靭帯がキュッと引き締まるのに約2ヶ月かかるからです。

このような理由により、股関節痛がある方は施術後の約2ヶ月間、太ももを縛って生活していただくと安定してきます。

体を治すのは先生ですが、いい状態を維持するのはお客様です。

お客様が、股関節の痛みから解放されるようにアドバイスやセルフケアの指導も一緒に行いましょう。

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