ぎっくり腰の再発予防に必要なことは、メンテナンスとセルフケアぎっくり腰のお客様が、通院してある程度良くなると、お客様の不安は治るか治らないかから、再発を予防するにはどうしたらいいかに移ってきます。

もし、お客様が先生を信頼していれば、ぎっくり腰が8割くらい良くなった段階で、お客様の側から必ず相談を持ちかけてきます。多くの場合、施術中に「よくなったら、どのようにしたら再発を予防できますか」と質問があることでしょう。

先生はその時に、お客様の不安を取り除き、どのようにすればお客様の未来が明るいかを伝える必要があります。そのためには、どのようにすればいいのでしょうか?

ここでは、ぎっくり腰が良くなってきた時に、お客様の不安を解消する3つの方法を紹介します。

メンテナンス通院で、ぎっくり腰の再発を予防する

自分が患者の立場になると、よく分かることがあります。

それは、人はある程度ぎっくり腰が良くなった時に「あと何回通えばいいのだろう」という疑問が湧いてくるということです。先生が院の営業のためにズルズルと通わせたら、お客様はスーッと消えていなくなるでしょう。

祝・ご卒業!

そのため、お客様の気持ちが理解できるなら、どこかのタイミングで通院を一旦めでたく卒業してもらうことが大切です。

お客様が8割良くなったと自覚できた時期が卒業のタイミング

私はその目安を、お客様が8割良くなったと自覚できたところに置いています。なぜなら、人間には自然治癒力が備わっているため、一定(8割)以上回復すれば、自力で良くなることができるからです。

「8割とはどこですか?」と聞こえてきそうですが、私の場合は手の感覚で判断しています。しかし、開業後まだ日が浅い先生はそのように言われると困惑してしまうでしょう。

そこで、目安として、お客様が日常生活で全く腰を気にしないで生活できるレベルを8割として考えています。それは、以下のような状態です。

・深い前・後屈時に違和感があるが、普段の生活には支障がない
・朝起きた時に、腰に重だるさがない
・寝返りや、ひねり動作がスムーズにできる

 

ここまできたら「おめでとうございます。今日でご卒業です。良かったですね」と、一旦先生が主導して通院を促すのをやめましょう。お客様の目的は、ぎっくり腰の痛みがなくなることですから、それで十分です。

その時に、お客様の反応は2パターンに分かれます。

「悪くなったら、またお願いします」タイプ

「先生、ありがとうございました。また悪くなったらお願いします」というタイプのお客様は、継続的なメンテナンスを勧める必要はありません。

まず、ぎっくり腰が8割回復したところで「おめでとうございます。8割以上回復したので、今日で一旦施術を終了することができますよ」と伝えてください。

しかし、ぎっくり腰が再発しない保証はありません。そのため、一言でいいので次回来院の目安を伝えてください。

例えば、「朝起きて寝返りを打つのが辛くなったら、ぎっくり腰の前兆です。そのときは、すぐに連絡をくださいね」「車の運転後に腰が痛い時は、今回のようになる前に早めにきてくださいね」というように伝えます。

そして、最後に「〇〇さんがしっかり通ってくれたので、早く良くなることができたのですよ。本当に良かったですね」と、お客様の努力を労いましょう。時間とお金と労力をかけて通院したのですから、労ってもらえたらお客様は当然嬉しく感じます。

このように、お客様が頑張った結果、ぎっくり腰が良くなって通院を卒業できることを伝えましょう。さらに、次回ぎっくり腰が再発する予兆として、どのような症状があるかまで伝えることができれば親切です。

「え〜?そんなこと言わないで!」タイプ

ぎっくり腰の痛みがひどくて来院したお客様は、『何かあったら、ここにくれば大丈夫』と先生のことを信頼しています。

その先生に突然「ご卒業です。おめでとうございます」と言われた場合、突き放されたような、見放されたような気分になる方がいます。特に、この傾向は女性に多いです。

そのようなタイプのお客様に対しては、少しずつ間隔を開けて来院することを提案しましょう。間が空いても安心だと自覚してもらうためです。

例えば、「今まで1週間に1度の通院だったので、2週間開けて様子をみましょう。もちろん、途中で不安があったらいつでも連絡してくださいね」というように伝えれば、お客様はとても安心します。

通院の間隔は?頻度は?

そして、来院毎にその通院の間隔を少しずつ開けていき、お客様がどのくらいの期間、いい状態を保てるのかを観察します。もし、2ヶ月いい状態を継続できれば、最終的には2ヶ月に1回メンテナンスすればいいわけです。1年に1回で大丈夫ならそのように説明できます。

お客様の職業によっては、ぎっくり腰になりやすい時期がはっきりしている場合があります。

例えば、学校の先生は春の異動で忙しい時期に腰の具合を悪くすることがあります。また、運動会の後に疲れるとぎっくり腰になりやすいことがあります。農家の方は、田植えや収穫時期に決まって体を壊すことがあります。

お客様が体調を崩す時期が事前にわかっていれば、その時期に早めに来院するように伝えましょう。

可能であれば、こういった繁忙期の少し前に、メールやダイレクトメールで体調が大丈夫か確認できればもっと親切です。さらに、このような仕組みの自動化ができれば、先生にとってもストレスがなくお客様も安心できます。

このように一定の割合で、卒業が寂しいとか見放されたと感じるお客様がいます。このような場合は、先生のファンになったということなので、末長くお付き合いできる関係が構築できたと考えましょう。

セルフケアを勧めて、ぎっくり腰の再発を予防する

「ぎっくり腰が再発しないように、何かいいセルフケアはないのですか」とお客様が質問することがあります。

セルフケアをお客様に勧めるタイミングは、一律ではありません。また、どなたにも同じようにお声がけするのは非効率的です。なぜなら、ぎっくり腰のセルフケア指導には時間がかかるからです。せっかく説明したのに、全く実践しない方は実に多いです。セルフケアを実践するのは2割と心得ましょう。

では、お客様のタイプ別に先生がセルフケアを勧める方法をご説明します。

お客様がセルフケアの質問をした場合

自分の体を気にかける方は、早め早めのタイミングで「自分でもできることはありませんか」と質問してきます。

その時は、先生がお客様の体調にあうと思うセルフケアを紹介してください。自分から質問するタイプのお客様は、理解できるように説明すれば、自主的に努力します。

お客様が8割近く回復して卒業が近い場合

ほとんどのお客様は、今後どうしたらいいか悩んではいるものの、どのタイミングで先生に質問したらいいか考えているものです。

そこで、お客様が8割近く回復して卒業が近づいたら、先生の方から「ぎっくり腰の再発はイヤですか?再発のことが気になりますか?」と聞いてみましょう。

すると、お客様が何か答えてくれます。その内容が、自分で努力して再発予防をしたい意思表示なら「お客様にぴったりのセルフケアがあるのですが、やってみますか?」と再度聞いてください。そして、お客様が「はい」と言った場合はセルフケアを紹介します。

しかし、先に質問したのが先生なので、お客様がやらない可能性が高いです。そこで、1度目は「では、この資料に書いてあることをやってみて、次回わからないところを質問してください」と伝えます。ここで簡単な説明をしてもいいでしょう。しかし、時間は使わないようにしてください。なぜなら実践の可能性が低いからです。

そして、次回来院の時、「やってみましたか?」と確認します。その時に、お客様が「できませんでした」と言ったら、それはごく普通のことなので「自分で何かするのは慣れないことなので大変ですよね。無理はしないでくださいね」と言って深追いは避けます。

お客様が何もしないのは普通のことであって責めることではないからです。

次回来院の時、セルフケアを実践したか?を確認してみる

逆に「はい、やってみてわからないところがあります」や「やってみたら調子がいいです」という場合は、自分の体は自分で管理したいタイプのお客様です。

そのときは、努力したことをしっかりほめましょう。「素晴らしいですね。何もしないのが普通なのに、実践できたのは立派ですね」と伝えます。実際のところ、これはお世辞ではなく本当にその通りです。お客様が努力したことをほめ、できないことを責めないようにしましょう。

自分でセルフケアができないタイプの方には、継続してメンテナンスをお勧めしたほうがいいとわかるため、それだけでも収穫です。お客様が卒業後、いよいよ辛くなって再来院するよりは、定期的にメンテナンスに来ていたほうが再発予防になるからです。

自分では何もしないタイプの場合

自分では何もしないタイプの場合は、どのようにすればよいのでしょうか。

前述したのと同じく、お客様が8割近く回復して卒業が近づいたら、ぎっくり腰の再発が不安かどうか、セルフケアに興味があるかを聞いてみましょう。

その時に、「いいえ、自分はやらないと思います」とはっきり言う方がいます。

そのような場合は、先生が主導権をにぎり、再発しないようにコントロールする必要があります。もちろん、すっかり良くなってしまえばその必要はありません。しかし、何もしないとぎっくり腰の再発の可能性があると感じた時は、定期的なメンテナンスをお勧めしましょう。一旦卒業した後の、定期的なメンテナンスはぎっくり腰の予防になりお客様のためになるからです。

特に、ぎっくり腰では、先生がある程度仙腸関節を緩めることができれば、セルフケアとして「モゾモゾ体操」を毎日やっていただくと、再発はほぼしないでしょう。

姿勢や体の使い方をアドバイスして、ぎっくり腰の再発を予防する

ぎっくり腰を予防・改善するためには、日常生活での姿勢や体の使い方が重要です。

私たち人間には取扱説明書がありません。個人的な意見ですが、どのような機械にも取扱説明書が付いているのに、なぜ人間にはないのか私は不思議に思います。

しかし、長年施術現場にいて、間違いなく体の取扱説明書は存在すると感じます。その最たるものが姿勢です。

私たちは骨の数、筋肉の数、内臓の数や場所はみな一緒です。それなのに、同じ環境で働いて、なぜ背骨がまっすぐな人と、腰曲がりや猫背の人に分かれるのでしょうか?

なぜ、ぎっくり腰になる人と、ならない人がいるのでしょうか?

私は、その秘密は姿勢にあると思っています。それも、脱力してデレンとしている時の姿勢が体型を作っていくのです。

例えば、脱力しているときとは以下のようなときです。

・スマホを見たりゲームに夢中になったりして、背中を丸めた姿勢で長時間いる子供
・パソコンと1日中格闘し、どんどん顔がパソコンに近づいていく大人
・時間を持て余し、1日中テレビの前にいる老人

ギックリ腰:悪い体勢、悪い姿勢

誰も干渉しない自分だけの時間や全てが自己責任の一人の時間では、どのような姿勢でしょうか?

その時間に足を組んで座っていれば、骨盤がねじれ骨盤が歪みます。背中を丸めてあぐらをかけば、尾骨や仙骨に体重をかけています。これが仙腸関節の窮屈さに繋がり、ぎっくり腰の遠因になっている方もいます。

また、肩枕でテレビを見ていると、肩甲骨の動きが悪くなったり五十肩になったりします。

誰も見ていないときに、どのような姿勢で過ごしたかによって老後に苦痛が有るか無いかが決まります。このことを、施術者は黙っていてはいけません。

私は、「姿勢さえ気をつけていればこんなぎっくり腰にならなかったのに…」「若いうちから知っていれば、こんな猫背にならなかったのに…」「土をなめるような腰曲がりは辛いだろうな…」と思い、姿勢の本やストレッチの本を出しています。

この本の中では、臨床現場でこれさえやれば大丈夫と思う姿勢やストレッチを厳選してご紹介しています。

まとめ

このように、一度ぎっくり腰になると、激しい痛みと生活の不自由さを体験します。ぎっくり腰になると、仕事に穴を開けたり人に迷惑をかけたりすることもあります。そのため、お客様にとって良くなることは当然大切ですが、再発しないこともとても重要な願望となります。

そこで、一旦お客様に通院を卒業してもらった後に、メンテナンス来院をお勧めすることはとても親切でいいことです。

卒業されたお客様の中にも、ぎっくり腰をセルフケアで自己管理したい人は一定数います。そのようなタイプの人には、本人の症状にあうセルフケアを紹介しましょう。

現代の生活では、じっと座っている時間が増えています。何かに没頭している時の姿勢、筋肉に力が入っていない時の姿勢が、未来の体型を作っていきます。

ぎっくり腰をきっかけに姿勢を見直し、意識することが自分の健康を守ることにつながります。

健康のありがたみを再確認し、今後より元気でいるためのきっかけとなれば、お客様にとって「災いが転じて一生の福を得た」と言えます。

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