ぎっくり腰は、お客様にとっては緊急事態です。急にぎっくり腰になると頭の中はパニックに近い状態です。

「今日の仕事はどうしよう」
「どうやったら痛みを減らせるだろう」
「ぎっくり腰を治してくれるところはどこだろう」

と、フル回転して対策を練リ始めます。そして、頭の中には疑問がたくさん浮かんできます。

ぎっくり腰・整体で検索して、あなたの整体院に電話がかかってきました。

その時あなたは、お客様の質問にどのように答えるでしょうか?答えに正解はないかもしれません。しかし、電話で顔が見えない分、的確に答えることができたら電話の向こうのお客様は安心できます。

既存のお客様なら、先生が電話対応に困ることはないでしょう。もし、既存客ではない初めての方からの電話があった場合は、念のため近くの整形外科の受診をお勧めしてください。それでも、ぎっくり腰の方は不安があるので、あなたに色々質問することでしょう。

そこで今回は、ぎっくり腰のお客様から電話で質問された場合にどのように対応するのかみていきましょう。

暖めたらいいの?冷やしたらいいの?

「私のぎっくり腰は暖めたほうがいいですか。それとも、冷やしたほうがいいですか」という質問はとても多いです。この場合、私は「患部に手を当ててください」とお願いします。

冷やしたほうがいい場合

ぎっくり腰の幹部に手を当て、明らかに熱く感じる場合は内部に炎症があります。その場合は、冷湿布かアイシングをお勧めしましょう。

冷湿布を貼る

冷湿布は市販のものがあれば、患部に貼ります。こまめに貼り替えた方がいいでしょう。
ギックリ腰の対処法:冷湿布を貼る

アイシングで患部を冷やす

湿布は皮膚呼吸を妨げますので、皮膚が弱い人には不向きです。その場合はアイシングをお勧めします。冷凍庫から取り出した氷をビニール袋に入れたもので、患部をさすって冷やします。しばらくすると痛みの感覚がなくなるのでさするのをやめます。ズッキンズッキンする感じが戻ってきたらまたアイシングします。これを3〜5回繰り返してもらいます。
ギックリ腰の対処法:アイシング

しばらく休んで、また痛くなったら同じことを繰り返します。このようにすると早く炎症が回復します。

暖めたほうがいい場合

ぎっくり腰で暖めたほうがいいのは、以下2つの場合です。

1、患部に手を当てても熱っぽくない場合

2、じわじわとぎっくり腰になった場合

この2つの場合は患部が血行不良になっています。そのため、患部を温めると痛みが少し緩和します。
ギックリ腰の対処法:温める

温める方法の1つはホカロンや湯たんぽなどの簡易なものを使うこと、もう一つは入浴することです。

もし、湯たんぽなどを使う場合は注意が必要です。ぎっくり腰で寝返りが打てないと、同じ部位が常時湯たんぽと接触した状態になることがあります。この状態が長く続くと低温やけどになる危険があります。

そのため、湯たんぽを使うときは、タオルで包むなどの対策をして低温やけどにならないように伝えましょう。

どのような寝方がいいの?

ぎっくり腰になった時は、起きているのが辛いので横になって休みます。その時に、腰の負担が少なく早く楽になる寝方はないだろうかと考えます。

ぎっくり腰になると「なぜ、腰に力が入らないのだろう」「体はこれほどまでにもろいものなのか」と、不安でいっぱいになるものです。

私も4回目のぎっくり腰になったときは、なぜ動けなくなるのが不思議でした。同時に動けるありがたみを感じたものです。

ぎっくり腰の時は必ず仙腸関節が硬くなっています。そのため、仙腸関節の負担軽減の方法を伝えることが楽になる寝方のポイントです。

布団の硬さを柔らかくする

一般的に布団の硬さは、寝返りが打てる程度の硬さがいいと言われています。しかし、ぎっくり腰では少し柔らかめの布団が楽です。

布団をいつもより柔らかくする

ぎっくり腰では必ず仙腸関節(仙骨と腸骨の関節)が動かなくなり硬くなっています。そのため、本来なら体重を分散する機能がある仙腸関節で体重分散ができない状態です。

硬い布団に長く寝ていると、仙腸関節に直接ズシンと圧がかかり余計に腰が痛くなることがあるのです。

そこで、いつも寝ている布団の上にふわふわの毛布を乗せて、仙腸関節が痛くない柔らかさにして寝るようにアドバイスしましょう。

横向きに寝る場合

ぎっくり腰では多くの場合、仰向けに長く寝ることができません。

仰向けに寝ると、動かない仙腸関節に内臓の重みが乗るので苦しいからです。そこで無意識に、仙腸関節の代わりに体位変換することで体重を分散しようとします。そのとき、比較的仙腸関節が楽になるのが横向きで寝ることです。

抱き枕を抱えて寝る

ぎっくり腰は体の非常事態なので、無意識に楽になるように体を動かします。そのため、本来なら、無意識に動きたいようにしているのが腰には一番いいのです。

しかし、横に寝るのが楽だけれどやはり苦しいと感じるなら少し対策が必要です。

横向きに寝て上側の脚を股関節や膝で曲げると、その上側の脚が重しのように仙腸関節を牽引するため苦しく感じるのです。そこで、対策として膝から足首まで抱き枕かクッションを入れて骨盤の幅を保つように寝るといいです。

ギックリ腰の対処法:抱き枕を抱えて寝る

まず、前述のように布団を通常より少し柔らかくします。そして、横向きに寝たらイラストのように抱き枕を抱えます。こうすることで仙腸関節に不必要な牽引がかからなくなり、左右のバランスが良い状態で寝ることができます。

うつ伏せに寝る場合

うつ伏せが一番気持ちいいし、楽だと感じることがあります。これは、仙腸関節に体重がかからないからです。うつ伏せが楽ならこれも本人の感覚に任せるのが正解です。

カエル寝にする

うつ伏せでカエル足のように、股関節と膝を曲げて寝ると楽な人がいます。このような体勢にすると、腰方形筋とインナーマッスル(大腰筋・腸骨筋)がストレッチされ気持ちがいいからです。

ギックリ腰の対処法:カエル寝

そのため、「試しにうつ伏せで、片足をカエルさんの足にして寝てください」「気持ちがいいなら、カエルさんの足にした側の膝を、少しずつ体幹から遠ざけるようにして寝ると早く楽になりますよ。試してみてください」とアドバイスしましょう。

これは、カエル寝のまま膝をゆっくり遠ざけると、ガチガチに固まった仙腸関節周囲の靭帯がストレッチされてリラックスできるため気持ちいいと感じるのです。

サポーターは使ったほうがいいの?

「サポーターを使ったほうがいいのですか」これもよく聞かれる質問です。この時に私は、「はい、サポーターを試して腰が楽なら使ってください」と答えます。

理由は、サポーターが動けなくなった仙腸関節を支えてくれるからです。緊急時にはとてもいい方法です。

しかし、残念ながら条件付きです。サポーターは骨盤を固定する意味では有効ですが、血行不良を招くことがあります。そこで、以下2つのパターンでアドバイスを変えます。

起きて動けるぎっくり腰はサポーターを使用

「今、起きて動くことはできていますか」と、まず聞いてみます。

起きて動ける状態の場合は、比較的軽症のぎっくり腰です。血行不良になる心配はありません。どのようなサポーターでも大丈夫です。

ギックリ腰の対処法:サポーターを使用する

そのときは、「起きて動いている間は、お手持ちのサポーターをして試してください。腰が楽なら使った方がいいです。ただし、寝るときは血行不良にならないように、サポーターを外すか緩めに着け直してください」と伝えましょう。

起きていられないぎっくり腰はヒモで縛る

辛くて起きてはいられないぎっくり腰の場合は、ただひたすら寝て過ごすしかありません。その時にサポーターで固定すると血行不良を招きます。

サポーターを強く引っ張るとわかりますが、サポーターには相当強力な弾力があります。サポーターを腰に巻くと、その強力な力でギューッと骨盤を締めつけ続けることになります。

すると、初めは気持ちよく感じても緩やかに血行不良になります。それは、小指にゆるく輪ゴムを巻くと指先が紫になる状況と同じです。きついサポーターがじわじわ腰を締めつけることで、腰部に血行障害がゆっくりと起こるのです。

そこで、サポーターの代わりに伸縮性がない綿や麻のヒモで骨盤を縛ることをおすすめしましょう。自宅にある腰ヒモやスカーフ、浴衣の半幅帯などが便利です。サラシがあればよりいいです。

これらの伸び縮みしないヒモで骨盤を縛ると、必要以上にヒモが骨盤に食い込まないので血行不良を起こしません。そして、仙腸関節を固定する役目もしっかり果たしてくれます。

ヒモで縛る時は、仙腸関節を固定できる位置で縛ることが大切です。「ヒモを骨盤に巻いて縛った時に、ヒモが恥骨のすぐ上に来るのがベストです」と伝えましょう。

早く楽になるにはどうしたらいいの?

「今日は仕事を休みましたが、早く楽になるにはどうしたらいいのですか」と漠然とした質問をする人がいます。

ぎっくり腰の時は、仙腸関節が動かなくなっているだけでなく、腰周囲の筋肉が硬くなっています。そのため寝て休むと、疲れが取れて筋肉が緩やかに回復します。

しかし、一つ問題があります。それは、長く寝ると筋肉は緩みますが深部の靭帯が硬くなることです。

あなたは休日に寝すぎてしまい、起きた時に背骨の芯がこわばる感覚になったことはないでしょうか。この状態を寝腰と言います。

これは、背骨をつなぐ深部の短い靭帯が緊張して固まった状態です。起きてしばらくすると、筋肉が使われて血流が増え、靭帯がリラックスするのでいつのまにか寝腰が良くなります。

このように、ぎっくり腰の時にたくさん寝れば筋の硬さは取れていきます。

しかし、深部の靭帯が硬くなって寝腰様の弊害がおこります。その弊害を防ぐ方法として有効なのが入浴です。もちろん、患部に炎症があると入浴後はより痛みますので、炎症がないことを確認してください。
※炎症に関してはこちらを参考にしてください。

その弊害を解消するために入浴を活用します。入浴効果は3つ期待できます。

  1. 水圧によるマッサージ効果
  2. 浮力による姿勢筋の負担軽減
  3. 血行促進効果

《寝る ←→ 入浴する》を繰り返す

入浴方法は半身浴をお勧めしてください。布団に寝ていて背中のこわばりを感じた時に20〜30分入浴するのです。これを1日に何回か繰り返します。そのため、のぼせない方法の半身浴を勧めましょう。半身浴の方法は以下のようにします。

ギックリ腰の対処法:入浴

① 浴用のイスを浴槽に入れ腰掛ける
② 浴槽のフタを胸の近くまで寄せる
③ フタに手を乗せた状態で、ゆったり20〜30分過ごす
④ こまめに水分補給をする

この時、浴槽に手を入れたままでいるとすぐのぼせてしまうため、必ず手を出すようにアドバイスしましょう。また、水分補給をするように伝えることも忘れないでください。

痛み止めは飲んだほうがいいの?

「痛み止めを飲んでもいいですか」と聞かれることがあります。既存客以外の初めて電話してきた方には、基本的には整形外科の受診をご案内します。そのため、医師の指示に従ってもらえば問題はありません。

しかし、このような質問をされる場合は、受診しないで様子を見ようと考えておられるのかもしれません。そのようなときは、「常用している市販の痛み止めをお持ちですか?あるなら飲んでも大丈夫ですよ。痛みがない状態で寝ると疲れが早く抜けますから」とアドバイスすると安心してもらえます。

ギックリ腰の対処法:痛み止めを飲む

 

まとめ

ぎっくり腰になって初めてあなたの院に電話をかけてきた方には、症状を聞いた上で整形外科の受診を先に勧めてください。何か内科的な病気が隠れていないか、外科的な骨折やヒビがないかを確認するのは大切なことです。

その上で、ここまで述べたことを参考にして質問に的確に答えてください。もし、答えが的確でお客様がこの先生は信用できると判断すれば、整形外科受診後に再度電話があるでしょう。

そのときは、受診の結果を教えてもらい、レントゲンのコピーを持参してもらえばより正確な施術を行うことができます。

ぎっくり腰のお客様は頭はパニック状態、心は不安がいっぱいの状態です。その気持ちを理解し、不安を取り除くために質問にはていねいに答えましょう。

お客様は、聞いてもらえただけで安心します。さらに適切なアドバイスによって不安を解消できれば、冷静さを取り戻して何をすべきかが見えてきます。それだけで希望が持てるようになるでしょう。

もし、あなたがぎっくり腰の治療に自信があるのなら、後日連絡をして様子を聞いてみましょう。そして、お客様がまだ辛い場合は施術によって早く回復できるように、来院を促してください。

このように、ぎっくり腰の方から電話があった場合は、丁寧かつ的確なアドバイスでお客様が安心して対処できることを第1に考えましょう。それが、結果的にぎっくり腰の症状改善を早めることにつながります。

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