外反母趾の痛み解消を目的に整体院を訪れたお客様に、術者はどのように対応したらよいのでしょうか?

パーフェクト整体では、残念ながらくの字に曲がった外反母趾をまっすぐに矯正ことはできません。

しかし、痛みなく過ごせるようにすることはできます

そこで、ここでは外反母趾について、一般的に言われていることを簡単に説明します。

そのあとに、パーフェクト整体的視点での診断ポイントを解説します。

診断ポイントが、そのまま施術ポイントになりますので、ぜひ臨床に活かしてください。

外反母趾とは

外反母趾とは、足の親指(母趾)が小指側(第2趾側)に傾いて変形し、「くの字」になる状態をいいます。

外反母趾の原因

外反母趾の原因としては、外的要因と内的要因があります。

外的要因

1. 靴が足に合わない

1番目に原因として言われていることは、靴やハイヒールなど足に靴が合わないことです。

たとえば、ハイヒールを履いた場合、足裏にかかる体重は足の前部に集中します。

4センチのヒールを履くと平らな靴の1,5倍の圧がかかると言います。

私たちの足は、裸足でかかとを上げた時、5本の足指がパーの字に広がって体重を支えます。

しかし、パンプスやハイヒールはつま先が細くなっているため、指先をパーに広げて立つことができません。

そしていつしか、靴の形に無理に足を合わせた結果、足指が変形していくのが外反母趾の原因の1つ目です。

2. 生活習慣の変化

現代では移動も車や電車などの乗り物を利用するため、足で歩くことが少なくなりました。

仕事時間中ずっと靴を履いていることが多く、裸足になる時間が減少してきています。

そのため脚力が低下し、足のアーチが消失して扁平足になり外反母趾になりやすいのが原因の2つ目です。

内的要因

全く外的要因が思い当たらないのに外反母趾になる人がいます。

このような人には、何らかの内的要因があると考えられます。

例えば、私がそうでした。

私は、高校で新体操部に入りました。

外反母趾の原因と診断・治療

頑張って練習した私は、腰を痛めてしまいました。

そして、高校2年生になったある日、右足が外反母趾になっているのに気づいたのです。

当時の私には、外反母趾になる外的要因はありませんでした。

毎日履いている靴は、底が平らです。

新体操は、マットや床の上で練習します。しかも、練習のほとんどは裸足で行います。

にも関わらず、気づけば外反母趾になっていたのです。

靴や運動不足が原因でないなら一体何が原因だったのか、とても不思議です。

(これに関しては、整体歴30年で仮説がありますので、後述します)

外的要因がないのに外反母趾になるのはなぜでしょうか?

一般的に言われているのは女性だからという理由です。

外反母趾になる比率は、男性1に対し、女性10と圧倒的に女性に多いようです。

女性は男性より関節が柔らかいことに加え、筋力が弱いことが関係していると考えられています。

外反母趾の内的要因は、「女性だから」ということになるようです。

外反母趾の症状

特徴的な外反母趾の症状は、痛みです。

外反母趾では、足の母趾先が第2趾のほうに「くの字」に曲がることで、第1中足基節関節が内側に突き出してきます。

そして、患部の腫れや痛みを伴ってきます。

ひどくなると静止時でもズキズキ痛むこともあります。

不自然な歩き方になってかかとの痛みを感じることもあります。

また、見た目の変化も起こります。

例えば、

  • 縦のアーチがなくなり扁平足になる
  • 横のアーチがなくなり横に広がった開帳足になる
  • 足裏に魚の目・たこができる
  • 足の第5趾が、母趾側に曲がる「内反小趾」になる
  • ひどくなると母趾が示趾の上または下に重なる

このように、外反母趾になると腫れや痛みに加え、形が変異すのが特徴的な症状です。

パーフェクト整体的に見た外反母趾施術のポイント

パーフェクト整体的には、形状が治るとは言えないけれども痛みは解消できると前述しました。

では、どこをどのように診ていけばよいのでしょうか。

パーフェクト整体は、膜(筋膜・腱・靭帯・関節包etc)を調整し、骨を正しい位置に収める施術法】です。

関係してくる膜は何なのかを考えていきましょう。

外反母趾は、第1中足基節関節が変形しています。

では、この第1中足基節関節の変形を調整するのに必要な膜は何でしょうか?

調整に必要な「筋膜・腱・靭帯・関節包」を浅い方から、もしくは深い方から順に考えていくと答えが見えてきます。

ここでは、深い方から順にみていきましょう。

第1中足基節関節の可動域制限がある(関節包が硬い)場合

第1中足基節関節の可動域制限がある場合は、お客様が「靴を履いて歩くときに痛みがある」と訴えます。

外反母趾 

関節は、圧を吸収するクッションのようなものです。

そのため、第1中足基節関節が正常なら、歩くときに発生する靴からの圧を第1中足基節関節が吸収できるはずです。

しかし、第1中足基節関節で靴から圧を吸収できないと、お客様は痛みとして感じます。

そして、関節を包む膜(=関節包)がどこかの部分で硬くなっています。

正常な関節では、関節包が四方八方に自由に動いています。

もし、関節包の一部が硬くなると、その硬い方向には関節を動かせなくなり関節の動きの制限が起こります。

そして、動けない方向に無理に関節を動かした時にお客様は痛みを感じます。

そのため、外反母趾の診断の一つ目は、関節の動きの制限が有るかどうかを検査します。

検査の方法は、以下です。

  1. 体の近位にある第1中足骨を固定する
  2. その固定した第1中足骨に対して、第1趾の基節骨を動かしてみる
  3. 検査で動かす方向は、前後・左右・回旋の6方向
  4. 関節が動かない方向が見つかる

このように、第1中足基節関節の動かない方向が特定できます。

このことは、関節を繋いでいる関節包のうち、動かない方向にある関節包が硬くなっていることを意味します。

そのため、関節が動かない方向にある関節包を緩めればいいと診断できます。

診断ができたら、「診断=施術」ですので、そのまま該当する関節包を緩めてください。

長母趾屈筋腱が種子骨からはずれる場合

第1中足基節関節が正常に動いても痛い場合は、次に長母趾屈筋腱を調べます。

長母趾屈筋・腱

この長母趾屈筋腱は、第1中足骨底にある種子骨の間を通ります。

外反母趾

外反母趾になると、この長母趾屈筋腱が種子骨から第2趾の方向へ外れることがあるのです。

その場合は、術者がお客様の中足基節関節を屈曲させながら長母趾屈筋腱の状態をチェックするとわかります。

種子骨の間を、長母趾屈筋腱が通っているかどうかの検査は以下のようにします。

  1. 術者の指で長母趾屈筋腱を種子骨の間にそっと戻すように誘導する
  2. 1の状態のまま、お客様に足の指を屈曲伸展とゆっくり動かしてもらう

2の状態の時にお客様の痛みが消えるなら、長母趾屈筋腱が種子骨から第2趾の方向へ外れていると判断できます。

その場合の施術は、長母趾屈筋腱を検査2の状態で固定したまま、第1中足基節関節の可動域制限をとる操作を行いましょう。

上手にできれば、痛みはその場で消失します。

第1中足骨裏面の骨膜に、長母趾屈筋腱が癒着している場合

上述した2つを行なっても痛みが残る場合があります。

このときは、第1中足骨裏面の骨膜に長母趾屈筋腱が癒着していることがあります。

そこで検査は、骨膜と腱が癒着しているかいないか検査します。

  1. 第1中足骨の裏面を走る長母趾屈筋腱を、内側のラインで第1中足骨から浮かすようになぞる
  2. 第1中足骨の裏面を走る長母趾屈筋腱を、外側のラインで第1中足骨から浮かすようになぞる
  3. 痛い部位があれば、そこが骨膜と腱が癒着している部位

このような検査をした時に痛い部位があれば、そこが骨膜と腱が癒着している患部だと特定できます。

施術はあなたの手法で構いませんので、患部を緩めていきましょう。

以上、3つのことが正確にできれば外反母趾の痛みは消失します。

3つのこととは以下です。

  1. 関節の可動域制限を解放する
  2. 長母趾屈筋腱を種子骨の間で動けるようにする
  3. 長母趾屈筋腱が第1中足骨の骨膜と癒着していない状態にする

このようにして、外反母趾の痛みで歩けない、眠れないというお客様を楽にすることができます。

外反母趾の本当の原因

パーフェクト整体をお伝えしている私の個人的な考えでは、外反母趾の本当の原因は靴ではないと思っています。

靴は誘因でしかないと思うのです。

なぜなら、ハイヒールを履いている全員が外反母趾になってはいないからです。

私は、外反母趾の本当の原因は、患部側の股関節の外転・外旋ではないかと考えています。

これは、データが取れているわけではありません。

しかし、可能なら仮説として検証したいと思っています。

検証に際しては、お客様に次のように質問します。

「椅子に腰掛けるときに、どちらの足を上にして組みますか」

すると、外反母趾の足を上にして組んで腰掛けていることが多いのです。

このように脚を組んで腰掛けたときに、脚が上になった側の股関節は屈曲・外転・外旋の角度が反対速より大きくなります。

例えば、長時間左脚を上にして腰掛けている癖がある場合、そのお客様の左の股関節は外転・外旋してしまいます。

その結果、次のようなことが起こります。

  • 仰向けに寝ると、左足先が外を向く
  • 仰向けに寝ると、左の膝蓋骨が外を向く
  • そのせいで、立位では外重心になる
  • 外重心のまま歩くとかかとに負担がかかる
  • 外重心だと母趾手前の第2 -3趾で歩行時にけり出すため、第2 – 3趾裏にタコや魚の目ができる

そのため、個人的には股関節の外転・外旋の常態化が外反母趾を作り出す要因ではないかと思っています。

その証拠に、前述した3つの施術に加え、お客様に姿勢のくせを直す提案をします。

すると、痛みが取れるだけでなく外反母趾の進行(形の変性)が止まるのです。

この仮説を確信したのは、葬儀屋さんの話を聞いたときです。

寝たきりの方が亡くなって、葬儀屋さんが準備に駆けつけると、長く寝たきりだった方はどなたも母趾が子趾に向かって直角に曲がっているというのです。

長く患っている方はほとんど、寝たきりで脚をカエルさんのように開いています。

カエルさんのように足を開くということは股関節は外転・外旋した状態です。

この話を伺った時、股関節の外転・外旋と外反母趾が関連するのは仮説ではなく実態ではないかと思ったのです。

でも、あくまでも私の仮説です。

検証していただける先生がいたら、ぜひ教えてください。

まとめ

ここまで述べてきたように、外反母趾の診断と施術で必要なことは以下の3つです。

  1. 関節の可動域制限を解放する(=関節包のリリース+正しい位置に関節をリセット)
  2. 長母趾屈筋腱を種子骨の間で動けるようにする(=腱の走行をリリース)
  3. 長母趾屈筋腱が第1中足骨の骨膜と癒着していない状態にする(=腱の走行をリリース)

第1中足基節関節は小さな関節です。

検査にも施術にも細かい操作が必要です。

しかし、外反母趾のお客様が正しい重心を通過して歩くためには欠かせない関節です。

しっかり診断して施術していきましょう。

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