一人院で黒字経営していくためには、収入と支出の関係を知っている必要があります。

会計知識をある程度身につけ、お金の流れがわかると経営が楽になります。

今回は、収入と支出のバランスの基本について解説します。

院の収支の全体像をつかむ

整体院を構えるということは、たとえ一人院でも院長は技術者であると同時に経営者です。

経営者と消費者では視点が逆になります。

消費者にとって、お金を使うことは消費です。消費とは何かを購入したら手元のお金は消えてなくなります。

経営者にとって、お金を使うことは投資です。投資とは、将来のリターンのためにお金を使うことです。今はお金は消えて無くなりますが、将来お金が増えて戻ってくる想定でお金を使っています。

例えば、経営者が広告費を使ったら、それは消費ではなく投資です。そのため、広告費として投資したお金が回収できるかどうかが大切です。

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ここでは、『脱★ドンブリ経営』に書かれているストラック表を使いお金の収支の全体像を見ていきましょう。

一人院繁盛

集客(集患)経費をいくらまで出せるか計算する

下記のストラック表にあなたの先月の売り上げを割り振って記入して見ましょう。

売り上げを上げるには集客(集患)する必要があります。支出の部分で、固定費や人件費は動かせません。唯一動かせるのは変動費です。この変動費に入るのが広告費です。
一人院の集客(集患)を考える

広告費は、あなたの望む集客数が確保できるまでは変動費扱いで実験が続きます。様々な広告媒体を使ったり、PPC広告費を上下したりして安定集客するための試行錯誤が続くでしょう。

そのための基準として、新規集客獲得費を回収して上回る収入が見込めるか見極めたいところです。

LTVを計算する

この時に、目安になる1つ目がLTVです。

LTV(Life Time Value)は「顧客生涯価値」のことです。 一人のお客様が一生涯を通じてあなたの院にいくら使うか、その金額のことです。

例えば、一人のお客様が5000円の施術を平均10回受けるならLTVは50,000円です。
しかしなぜか、お客様が1回しか来てくれないならLTVは5,000円です。

広告費(経費)を使い、新規顧客獲得単価が7,000円だとすれば、お客様が1回しか来院しなければ赤字です。

しかし、LTVがわかれば、赤字にならないもっとやすい広告媒体を探す必要があることに気づけます。

慣れない数字は難しいので、例を挙げて説明しましょう、

3万円の広告費で3人の新規顧客が獲得できたら、新規顧客獲得単価は1万円です。

広告した時点で、あなたの施術が1回5000円だとしましょう。

その場合、最低でも2回通院してもらわないと1万円の広告費は回収できません。もし、1回しか来なければ5,000円の赤字です。

そのため、LTVを事前に計算しておく必要があるのです。

仮に、あなたの院のお客様は平均6回通院してくれるとします。その場合、お客様一人あたりのLTVは3万円です。

お客様のLTVが3万円とわかっていれば、新規顧客獲得単価が1万円でも2万円の黒字になると計算できます。

このように、新規集客獲得費用は経費であり先行投資です。そのため、先にLTVを算出しておく必要があるのです。そうすれば、集客したいお客様が何人かによりいくらまで投入していいか決められます。

CPO:Cost Per Order を算出する

しばらく広告を出し続けると、集客しやすい媒体や、どのような広告文がターゲットに響くかわかってくるでしょう。

そこまで行ったら、次に目安になるのがCPOです。
CPOとは、一人のお客様を獲得するためにかかった費用のことです。

広告媒体や広告文ごとにCPO(Cost Per Order)を計算しましょう。

例えば、

A媒体に広告すると、3万円の広告費で6人集客できました。その場合、CPOは3万円÷6人=0.50です。
B媒体に広告すると、3万円の広告費で8人集客できました。その場合、CPOは3万円÷8人=0.38です。

CPOの数字が小さい方が費用対効果が高いので、Bの広告媒体に集中するという方法も考えることができますね。

このように、自分が集客したい人数になるまで、広告媒体や広告文を考えて実験するわけです。その際は、LTVやCPOという数字で見ていくと判断がしやすくなります。

LTVの数字が低い場合は、広告費を安く抑える必要があります。
CPOの数字が高い場合は、費用対効果が悪いので媒体を変えたり広告の内容を変えていく必要があります。

このように、自分が集客したい人数になるまで、広告媒体や広告文を考えて実験してください。その際は、LTVやCPOという数字で見ていくと判断がしやすくなります。

内部環境を整えるのが売上アップの近道

あなたの施術がよほど高単価でない限り、初来院のお客様が1回で来院をやめれば新規顧客獲得単価の方が高いでしょう。

そこで、広告を打つ前にしておくことがあります。それは、内部環境を整える事です。

内部環境とは、お客様が来店からお帰りまでのメッセージに一貫性を持たせて、次回予約につながる仕組みづくりのことです。

この内部環境が整わないうちに集客に力を入れてしまうと、高い広告費を払ったのに売り上げが伸びないということになります。

例えば、広告ではあなたの院はとてもよさそうな院に見えました。そこで、見込み客があなたの院のホームページをチェックすると、とても良さそうに見えました。

見込み客は思い切って電話し予約を入れて来院します。

初めてあなたの院を実際に見た訳です。その時に、広告やホームページと印象が大きく違ったらどうでしょうか?

技術はもちろんですが、そのほか院の雰囲気やサービスの質がお客様の期待以下だと、お客様が通院しようと思わないのは当然です。

技術を含め、院でのサービスがお客様の期待を超える工夫をすることが、内部環境を考える上で大切です。

例えば

  1. 来院時の挨拶
  2. カウンセリングシート記入への案内の仕方
  3. 問診の手順
  4. 施術への動線
  5. 施術後の説明
  6. 次回予約
  7. 会計

 

というような流れで、あなたがお客様に伝えるメッセージに一貫性があるでしょうか?

例えば、1〜7のどの場面でも、「当院は5回通うと結果が出ている方が80%です」と言うように。

そして、そのメッセージはお客様にとってなぜそうなのかわかりやすい説明になっているでしょうか?

この内部環境が上手にできていれば、初回来院時の上記6の場面:次回予約の段階では、お客様は次回予約をするのが当たり前の状況になっているはずです。

6の段階でお客様の方から、「次回はいつ来たらいいですか」と聞かれるような、自然な流れができていることが大切です。

このように内部環境を整えて顧客満足度を上げる工夫をすることは、売上を作るのに大切な考え方です。

近所にライバル院が多いと、新規顧客獲得単価は高額になることが多いです。そして、新規顧客獲得はリピート獲得の5倍難しいと言われています。

そのため、まずはしっかり内部環境を整えて、新規のお客様がリピートしやすい状況を作りましょう。その上で、LTVを計算して広告を打てたら理想的です。

まとめ

このように、売上を上げるにはまず収入と収支のバランス感覚を身につけましょう。

その上で、次に広告費用をいくら出せるか算出します。

それと前後して、顧客満足度をあげるための内部環境を整えましょう。

・来院時の挨拶
・カウンセリングシート記入への案内の仕方
・問診の手順
・施術への動線
・施術後の説明
・次回予約
・会計

で、お客様に一貫したメッセージを提供できているか、お客様がまた来院したくなる説明ができているか考えましょう。

このようにして、新規顧客が自ら来院したくなる内部環境を整えることで経費を抑え、売上を上げることができます。

《参考》

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